25. ハロウィンからニューイヤーズ・ディ

木枯らしが吹き始める頃になると、「また寒くて長いシカゴの冬がやって来るのか」と憂鬱になる反面、楽しい催し物満載でテンションは上がりっぱなしになります。10月31日のハロウィン、11月第4木曜日のサンクスギビング・ディ、そしてクリスマスにニューイヤーズ・ディ。この間は、あちこちでハーベストフェスティバルやクラフトショー、クリスマス関連のショー(くるみ割人形バレエやロケッツ主催のクリスマスダンスショー)などが催され、街もイルミネーションが華やかで、いるだけで幸せな気分になります。アメリカに来て3回目のホリディ・シーズンを迎えるわけですが、この時期は何度体験しても新鮮な感動があります。

ウッドフィールド・モールというとても大きなショッピングモールが近くにありますが、そこで毎年、特大のクリスマスツリーを飾ります。ゆうに10mはあると思います。下の方(右の方で人が並んでいます)では、中でサンタさんと有料で写真が撮れるのでいつも長蛇の列です。

このシーズンの中でも、とりわけ国中が華やかで忙しいのが、サンクスギビング・ディからクリスマスまでの1ヶ月間。アメリカでは、サンクスギビング休暇が日本のお正月休暇のようなもので、国内外にちらばった家族や親戚が故郷に集い、七面鳥を囲んで団らんを楽しみます。今年の我が家のサンクスギビング・ディはというと、以前のシカゴ便りでも書いたように、すっかり恒例となった友達のジョアン家族・親戚と楽しいひとときを過ごしました。ちなみに今年持って行ったのは、肉団子のおこわ包みと、ブルーベリー・ラズベリーソースをかけたレアチーズケーキ。中華はアメリカ人に馴染みがあるし、ケーキもいつもよりかなり甘く作ったので、どちらも大好評でした。

サンクスギビング・ディの翌日は、業界で「ブラック・フライデー」(お店が黒字になるから)と呼ばれる大バーゲンがあります。日本でいうところのデパートの初売りですね。このバーゲンは、滅多にセールをしない有名ブランド店でも値引き率が高く行く価値ありですが、かなり気合いを入れていかないと疲れるだけ。というのも、この日は、朝5時や6時からオープンする店が多く、それに合わせて行かないとお目当ての商品にありつけないのです。私自身、精一杯早起きして7時にショッピングモールに行ったことがありますが、駐車場が満室で1時間も待たされ、あげくに何も買えずに帰って来たという悲しい経験があります。以来この日にはショッピングをしていないし、子供ができてからは当然行きたくてもいけませんよね。中にはベビーシッターに預けて買い物魔に変貌する人もいるようですが…。代りに今年は、インターネットで楽々ショッピング。送料無料のところが増え、それなりに値引きもあって、利用度大!

この日を皮切りに、アメリカ人の財布の紐は緩みっぱなしになります。新聞の折り込みチラシ量も半端ではなく、先日の日曜版は新聞とチラシを合わせて7センチもありました。こういったバーゲン品を狙って、日本のショッピングカートよりはるかに大きなカゴに、クリスマス用の装飾品や食器、食材、プレゼントなどを山のように積んでいくのです。それにしても、毎年こんなに買い込んでどこにしまっておくのか謎。いくら大きな家だからといっても、限界があるでしょうに。それに、なぜこんなにも多くの人が毎年クリスマスツリーやその関連グッズを買うのか。去年のものはどうしたの?そんな疑問ばかりが浮かんでくるくらい、とにかくみんな買いまくっているのです。

こうやって、ひたすら買いの1ヶ月間が過ぎ、クリスマスの翌日になると、今度は一年で最大の「アフタークリスマスセール」がやってきます。この日は、もらったものの気に入らなかったクリスマスプレゼントを返品交換する人でお店は大混雑。そしてこれらの返品は即「返品セール」として破格で売られ、これが目当ての人でさらにごった返します。日本では到底信じられない光景ですよね。

ところで、こんなに盛り上がった年末の割に、ニューイヤーズ・ディは、拍子抜けするほどのあっけなさ。大晦日のカウントダウンで少し盛り上がるものの、元日に休んだと思ったら2日には仕事が始まります。 日本人だもの、ちょっとくらいお正月気分を味わってもいいじゃないかと思いますが、アメリカ人が仕事相手ではそうも言ってはいられません。まっ、日本のようにゆっくりくつろげない分、お年玉にかかる経費が浮くというメリットはありますがね。

2002年12月