17. アメリカでの妊娠
私ごとではありますが、近く海外で初めての出産をすることになりました。出産予定日6月27日まで残すところ10日あまり。毎日ドキドキの中、妊婦最後のシカゴ便りをお届けします。
私の場合逆に日本の出産事情にうといのですが、本や友達の話によると、同じ出産といえども日米でずいぶん違いがあるようです。基本的なことで言えば、まず妊娠期間の数え方が違う。日数280日、週数40週はもちろん日米で一緒なのですが、月で数える場合日本では満10ヶ月で出産に対してアメリカでは9ヶ月半。最初の1ヶ月だけ6週でカウントするのがその理由。それから、例えば5ヶ月目の場合日本では「妊娠5ヶ月」と言いますが、アメリカでは「満」で言うので「妊娠4ヶ月」になります。ヒュー・グラント主演の「9か月」という映画がありますよね。中途半端な数字だなぁと思っていましたが、これって臨月の意味だったんです。今になって納得。
病院については、日本では診察を受ける病院と出産する病院は基本的に同じですが、アメリカでは個人病院で診察を受けて、出産は総合病院でするのが一般的です。といっても赤ちゃんを取り上げてくれるのは自分の担当医。分娩間近になったら担当医に連絡し、病院に駈けつけてもらうのです。ちなみにアメリカでは無痛分娩が主流。これが魅力でアメリカで出産したいと言う日本人も結構いるようです(もちろん私もその1人!!)。
次に妊娠中の生活について。良くも悪くもきっちりとした管理下におかれる日本とは違い、アメリカは意外にのんびりしていて合理的だなぁという印象を受けます。日本では小さく産んで大きく育てた方がいいと、7〜10キロ増に体重制限する病院が増えていると聞きます。ところがアメリカでは、母体自体が大きいということもあるのでしょうが、どう見ても無制限としかいいようがないような巨体妊婦ばかりを目にします。15キロ〜20キロ増が一般的なんだとか。それなら生まれてくる赤ちゃんも大きいのでは? と思いますが、平均で3200〜3800グラムというからそれほどでもありません。これは明かに体重オーバー? アメリカ人の多くが中年になるととたんに肉がついてくるのは、妊娠中に食べ過ぎて元に戻らなくってしまったのも原因の一つでしょうね。
栄養管理についても、アメリカはとっても楽、というか合理的です。鉄分やカルシウムを摂るために日本では苦手なレバーや小魚を無理して食べてる人が多いと思いますが、そこはさすがビタミン剤消費量世界一のアメリカ。貧血でもないのに妊婦用の鉄分やカルシウム、ビタミン剤が処方され、それを毎日飲むだけでOK。通常1日12ミリグラム、妊娠時は20ミリグラムの鉄分を摂るのが望ましいと言われていますが、この鉄剤は1錠に90ミリグラムも。なんと牛レバー2・2キロ分です。だから、妊娠したからといって特別なことをする必要はないのです。私もそのお陰(?)か、今日までめまいがしたりむくんだりすることもなく、いたって順調。タフなアメリカ人妊婦と同様、車であちこち出かけています。
さて、次回の報告はいよいよ出産&その後です。きっとこちらも日米の違いがたくさんあるでしょう。初めて体験することばかりなのでドキドキですが、でもワクワクもしています。お楽しみに。
2001年8月