21. アメリカでの育児(2)
育児用品の困ったモン
アメリカの方が安くてかわいい育児グッズがたくさんある。それは確かに正しいのですが、その多くは、重い、大きい、壊れやすいのおまけ付き。日本の育児書を読破しているだけに、ついつい比較してしまい最初はため息ばかりでした。でもそのうち「安いんだからし方がない」、最近は「どうせ赤ちゃんなんてすぐ大きくなるんだから、お金かけたらもったいない」と、逆にアメリカ製品に感謝するほど(育児ってお金かかるんですねぇ、つくづく…)。どうしても困るものや日本にしかないものだけ母に送ってもらい、あとはママ友と情報交換してマシなものを選ぶ。そうやって、なんとかやりくりしています。
どうしても困るものというのは、体温計や湯温計、赤ちゃん綿棒、沐浴剤、ベビー服など。体温計などの温度モノは、アメリカでは華氏目盛りなので、いちいち摂氏に計算し直すのも面倒ですから必要ですよね。綿棒に関しては、アメリカには赤ちゃん綿棒などという気の利いたものはなく、普通のタイプを使うと大きすぎて耳にも鼻にも入らない。アメリカ人の赤ちゃんには入るのか? 謎です。沐浴剤というのは、ベビーバスのお湯に混ぜて使うと上がり湯なしでタオルで拭くだけという便利グッズなのですが、アメリカにはありません。ちなみに、布オムツ専用洗剤やほにゅうビン専用洗剤もなし。日本にはかゆいところに手が届くような、至れり尽くせりの育児用品がたくさんありますねぇ。感心、感心。
ベビー服を日本から送ってもらってるというのは意外でしょう? 見た目もかわいいし、キャラクターものやブランドものもものすごく安いんですけど、残念ながらほとんどが体型に合いません。とにかく首周りがきつい。そのくせ手足の布だけがだら〜んと長い。アメリカ人との体型の違いは生まれた時からみたいです。アメリカでベビー服を買う時は、半年ほどサイズの大きいものを選んでくださいね。実体験によるアドバイスです。
どうしても困るリストの中に、実はベビーカーもありました。でもさすがにあれを持ってきてくれとは言えずどうしようかと思っていたところ、ママ友情報で某日本メーカーのものがこちらにも売ってると聞きつけホッとしました。というのも、アメリカ製のベビーカーはびっくりするくらい大きくて重いんです。日本では3〜5キロくらいですが、こちらのは8キロ〜12キロ。テーブルやらジュース置きやら余分なものがついてる上、車輪も大きくて四輪駆動並み。これならどんなボコボコ道でもお散歩できる? 日本と違って車で持ち運ぶので少しくらいの不便は我慢しますが、ここまで重いと車のトランクに入れるのも小柄な日本人にはひと苦労です。
アメリカの育児便利グッズ
アメリカでは出産後すぐに会社復帰する女性が多いせいか、育児お助けグッズが充実しています。しかも安い。同じものなら日本の3分の1から5分の1で買えます。このグッズ達は、日本の「気配り品」ではなくて「横着品」のような気も。といいながら、時間のたっぷりある専業主婦の私も利用しています。
使い捨てほにゅうびん |
まずはミルク関係から。電動の搾乳器は日本にもあったなぁと思っていたら、左右同時に電動搾乳できて時間短縮になるというものを発見。しかもハンドフリーで便利なのですが、何かの機械かと思うほどビッグ。ハンドフリーといえば、なんと、ほにゅうビンでの授乳が手を使わないでできます。ほにゅうビンと乳首の間にホースがついていて、おしゃぶりの要領で乳首をくわえさせる。便利そうですが、吸うのに力が要りそうだし、第一これくらいは自分でやってあげないと、愛情に飢えた子になりそうですよね。同じほにゅうビンでも使い捨てほにゅうビン(写真)は、お出かけの時などに私も使っています。大きく分けると2つあって、ひとつはプラスティック容器の中に専用フィルム袋を入れて、フィルムだけを取り換えるというタイプ。もうひとつは、あらかじめ液体ミルクが入っている密閉容器に乳首を取りつけて与えるタイプ。こちらは割高なので、缶入り液体ミルクを前者のほにゅうビンで飲ませるというのが主流のようです。ちなみに、よだれかけも使い捨てのものがあります。
におい消しオムツ専用ごみ箱 |
最近は日本でも見かけるようになった、におい消しオムツ専用ゴミ箱(写真)。1万円以上すると聞いてびっくりのこのゴミ箱も、アメリカでは20ドルほどで手に入ります。オムツを一つずつウィンナー状に包んでにおいを遮断するという優れもの。一度使うと手放せません。
「チャイルド・ビュー・モニター」は、家が広いアメリカならではの便利品。ベビールームにモニターを付ければ、どこにいても赤ちゃんの監視ができます。これを買う人は、相当リッチなんでしょうね。あぁ、赤ちゃんの泣き声が聞こえないほど広い家に住んでみたい。
ベビーカーシートはとっても便利。 |
アメリカのベビーカーシート。これはほんと便利ですよ。カーシートごとそのまま取り外して持ち運べるし、ベビーカーやスーパーの買い物カートにも取りつけられる(写真)。底がロッキングチェアーのように弓なりになっているので、家ではゆりかごとしても使えます。ただ、カーシート本体だけですでに3キロもあるので、子供を乗せて持ち運ぶとなると、相当重い。肩は凝るし腕も内出血してしまう。ママになると筋肉マンになるというけど、これ本当です。
その他、体温計付きおしゃぶり、粉ミルクミキサー、自動スイング付きブランコ、ベビー・セイフ・フィーダー(果物に専用のネットをかぶせて食べさせると、わざわざ濾す必要がないのでラク)などの便利品がたくさんあります。
これらを全部使おうとは思いませんが、TPOに応じて便利なものはこれからも大いに利用していくつもりです。なんてったってここは合理主義のアメリカ。それに、横着だといって文句を言う人もいませんしね。
2001年11月