ブラック・リスト を読んで |
相澤 せいこ
確かにV.I、行動的でがんばってましたね!今回はエイミーがアシスタント役かな。ルー神父も健在で、今回も大切な役目を果たしてくれました。V.Iの手の行き届かない部分や不得意部分をサポートしてくれる人が現れるのはうれしいことです。一人の力には限界がある。ネットワークを広げてより大きな力を得ることで、大きな敵と戦えます。それは誰かに頼ることとはちがいます。それが年を重ねたV.Iの、最大の武器になっていってほしいです。
ただ・・・今回のお話は、最後になって急に敵の存在がぼやけてしまったような感じがしました。ひとつはサダウィの死。彼が生き残っていたらいたで、国家権力からどうやって彼を守れたかは・・・難しかったでしょうね。ルネは使えなかったかもしれないけど、マリに頼んでマスコミに訴えるとか?必ずしもサダウィの笑顔を守りきれなかったかもしれない。その方がもっと辛い結果かな。殺人事件と平行して戦う羽目になった、リアルタイムで起きている国家権力の脅威がどこか消化不良になってます。
もちろん、個人ができる限界までV.Iは戦ったと思っています。V.Iですら追い詰めきれない大きな、そして他国をも巻き込む現実の脅威だということですね。日本も他人事ではありません…
カルヴィン家への追及についても、最後はうやむやに終わってしまった印象を受けます。ミズ・チグウェルと一緒にザクシンを追い詰めて大企業をひっくり返すまでやってのけた『ダウンタウンシスター』を思い出すと、ちょっと残念な気がしました。
シリーズが進むにつれて敵のスケールが大きくなっていますから、仕方ない部分もあります。V.Iに過剰な期待をしすぎ?
ロティの出番が少なかったのも、私としては残念な限りです。命に関わる大怪我をしなかった証拠かな。次回はきっとモレルも登場して、V.Iとの絆をみせつけてほしいものです。