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2004年10月


バルトーク音楽会

堀江のカフェ チャルカに行き始めてもう3年くらいになるだろうか。最初からお店でかかっている音楽が気になっていた。音の繰り返しが心地よい。スティーヴ・ライヒの感じと言ったらいちばん近いか。店の人に聞いたらCDがあるというので1枚買った。とても静かで気持ちがよい音楽。トウヤマタケオさんの2枚目のCD「hello 88」だった。
「バルトーク音楽祭」を「チャルカニュース」で知り、前売券発売日にちゃんと買いに行った。好きなバルトーク・ベラ(ハンガリーでは日本と同じく姓を先にする)の音楽を、これまた好きなトウヤマさんが解説し演奏するというのだから逃せない。お顔も拝見したいし。
堀江音楽祭参加イベントのひとつとしてのもので、チラシによると、
【解説・出演/トウヤマタケオ(電子ピアノ)、演奏/波多野敦子(バイオリン)
20世紀のハンガリーを代表する音楽家バルトークをリスペクトする音楽会です。ハンガリーの蚤の市で発見した偉人シリーズのディアフィルム(ハンガリー の紙芝居フィルム)を投影しながら、トウヤマタケオが解説。数曲の生演奏も交えながら、バルトーク・ベラの魅力にせまります。】というもの。
お店いっぱいに人が集まり、照明が消されディアフィルムがはじまった。白い壁に映されるバルトークの子ども時代や演奏中や山村に伝わる音楽を収集してまわったときの写真を、トウヤマさんの解説で見入った。そのあとに「バルトーク音楽の秘密」というテーマでお話があった。1、音楽って何? 2、時間の扱い方、3、音程の扱い方、4、バルトークの目指したもの、というテーマでレジュメも用意されていた。
わたしは音楽は好きだしよく聴くが、気持ちがよいとか鼓舞されるとか、自分の都合のよいように聴いている。それに譜面が読めないから耳で聴いて覚えてしか歌えない。あらゆる楽器にさわれない。音楽の本だけはたくさん読んでいるけど、雑多な知識があるに過ぎない。この日のトウヤマさんのお話はシンプルだったけれど、バルトークの本質について理解できたような気がする。
最後に演奏はバルトークの子どものための音楽をお二人が演奏した。フルートのパートをバイオリンにしたもので、すごくよく歌う感じがしてよかった。西洋音楽とすこし違った東洋的な旋律であることが、わたしをバルトークに誘うのかな。目の前で生の音を聴ける幸せで胸がいっぱいになった。
帰りにできたてのほやほやのCD「green」を買って帰った。

2004.10.31


父の葬式

今日は朝10時から父の葬式だった。しきたりどうりに式は進んで、火葬場へ見送り、式場にもどってからの昼ご飯はまた宴会になった。にぎやかに子や孫やひ孫が集まっているのを父も喜んでいるだろう。
にぎやかなことが好きで、貧しい時代には、俺の葬式はなにもしなくていいから、「聖者の行進」のレコードをかけてくれたらいいと言っていた。長男が貧しさから脱却してからは、60歳で仕事をやめて、それから47年間を働かないで過ごしたトク(?)な人生だった。わたしが三池の労働者の娘さんの就職の世話をして、雇い主との間に入って苦労しているとき、「買ってまで苦労するな」と言われた。わたしは返事をしなかったが、その一言で父親とわたしは違う人種だと思ったものである。
でも、もっと子どものころは父が大好きだった。翻訳ミステリーや岡本綺堂の本を小学生で読み始めて、父の真似をして中学生のときは古本屋通いもした。ジャズもクラシックも中古レコードを買ってきたのがいつも家にあった。これは大人になってからだけど、ニーナ・シモンのレコードを最初に聞かせてくれたのは父である。映画もよく連れて行ってくれたので、わたしは最初から洋画ファンだった。

2004.10.29


父の通夜

昨日父が死んだ。107歳の誕生日だった。大阪府の男性最高年齢者だと先日新聞に出たところだった。悪いことも良いこともしたことがないのに、新聞に出た珍しい人である。長生きするのも芸のうちっていう言葉があったよね。
今夜は通夜に行ってきたのだが、子ども、孫、ひ孫が合計30人集まっていた。遠方の孫、ひ孫等がまだ8人いるけど、これだけ血縁の者が集まることはもうないだろう。とても和やかな集まりだった。子どもたちは生活や考えの違いで、親との関係もぎくしゃくしてきたけれども、孫は可愛がってくれたおじいちゃんであり、驚異的な長生きしていたひいじいちゃんなのである。孫、ひ孫のお陰で楽しい通夜になってよかった。
父は数年間施設のご厄介になっていたが、昨日が誕生日でパーティをしてもらったそうだ。そこでタコ焼きを5個食べ、タバコ(キャメル)をすぱすぱ吸って、その後に静かに死んだそうである。
次兄が「親父が死んだと電話で聞いたとき、孤児になってしもたと10分間思った」と言った。笑ってしまったが、少ししんみりした。

2004.10.28


プールの案内表示

今日もプールでつくづく眺めていたんだけど案内表示があちこちにたくさんある。5月にオープンしたときはとてもすっきりしていた。おしゃれなマークや細かい文字による表示がモダンな建物に似合っていた。でも、細かくて見えないから迷う人続出だったと思う。わたしがプールの中から見ていただけでも、数人の女性が男子更衣室のある出入り口に向かっていったし、わたしが着替えている最中に男性が入り口を間違えて入ってきた。わたし一人だったから冷静に対処したものの、うるさい人がいたらどうなったか(笑)。いまは入り口にもプールとの出入り口にも大きなパソコン文字の表示物が貼ってある。
ジャグジーに入っているとき、キャップを脱いでいる男性に係員がかぶるように言ったら、横に貼ってあるのを指して、「プールに入るときは」とだけ書いてあるやないかとモンクを言う。翌日、ジャグジーの横の壁に「ジャグジーに入るときはキャップをかぶること」と書いたものが貼ってあった。「ジャグジーではもぐらないように」というのもプラスされた。
「はしるな」「ここで遊んではいけません」「シャワー使用は早く」などの注意もあるし、「この裏にシャワーがあります」などここまで言うかというほど親切なのもある。
なんか張り紙だらけで、最初のおしゃれなプールデザインはどうなったのと設計家はびっくりだろう。だけど年寄りが多いのわかっていただろうし、メガネをはずしているから見にくい人も多いだろうし、わかりやすいおしゃれな表示物を考えてほしかったわ。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カボチャスープ、ジャガイモのブレーメン風、紅茶、コーヒー。
昼:オニオンパン、ミルク、紅茶、柿、リンゴ。
晩:ご飯、みそ汁(揚げと小松菜)、鯖の味噌煮、切り干し大根、卵焼き(桜えび入り)、たくわん、焙じ番茶、ココア。

2004.10.27


片山健の絵本2冊

片山健の絵本と言えばなんと言っても「タンゲくん」が一番好きだ。それと片山健をはじめて知った澁澤龍彦訳の「長靴をはいた猫」も大好きで大切にしている。心斎橋の古書店ベルリンブックスで最近買ったのが、片山令子文の「のうさぎのおはなしえほん いえ」(ビリケン出版 2002)と「もりのおばけ」(こどものとも 1997)である。
のうさぎの本はシリーズで「ともだち」「みずうみ」など続刊があるらしい。ピンクの服を来たのうさぎさんは、ドアがうまく閉まらない自分の家が気に入らない。新しい家を紹介するとおおかみくんに言われて待つ間に、汚れた家を掃除するととても明るくきれいになった。きれいな部屋でおおかみくんとお茶して、外の雨音を聞きながら眠る幸せをかみしめる。
「もりのおばけ」はうすっぺらな絵本だけど、「長靴をはいた猫」と同じ系統の絵だったので、手に取った瞬間、わっと叫びそうになった。モノクロの絵本なんだけど、森の木やおばけが丁寧に描かれていて好き。森に弟と行ったぼくは、かけっこしながら森に入るが調子にのって奥まで行ってしまう。「おーい」と叫ぶとおばけが追いかけてくる。恐怖感がおばけの姿いろいろになるが、目をつぶって耐え、しばらくして開けると消えていた。やっと弟が追いついてきていっしょに帰る。
今日の献立
朝:ヨーグルト+梅ジャム、キノコスープ、ベーグル(トリ胸肉の蒸し焼きとレタスはさみ)、紅茶。
昼:ピーナツ、紅茶、柿、リンゴ。
晩:親子丼、みそ汁(なめこ)、満願寺唐辛子とジャコの炊いたん、梅干し、焙じ番茶。

2004.10.26


太ってちゃダメ?

朝日新聞「生活」ページの連載に「意見×異見」というのがあり、毎週テーマを決めて意見の違う2人の有識者のコメントを載せている。今日のテーマは「太ってちゃダメ?」だった。テーマより先に山田真さんの写真が目についたので、アレっと思ってよく見たら、やっぱり山田さんだった。お目にかかったことはないが、お連れ合いの梅村さんは何度かお会いしている。梅村さんはVFCの会員で、「梅村こども診療所」サイトをつくらせてもらっているという縁なのである。サイトに山田さんの写真を載せているので、お会いしてなくても即わかったというわけ。
わたしはどっちかと言うと(実は、はっきりと言うと)太っているほうなので、こんなテーマを前にすると穴に入りたいような気になる。努力しないから太っているということを自分で知っているから(笑)。でも、さぁ、みんな細い人がかっこいいと、言い過ぎだと思うよ。プールに行くと、若い人でほっそりとして足が長い人が沢山いる。この細い体型を維持するために、もっともっとと鍛えているんだなぁ。なんかそれだけを人生の目的にしているみたいと思うのは、わたしの僻みか(笑)。
山田さんは、「子どもの体つきが変わった原因としては社会的要因が大きい」として、食べ物のこと、子どもを取り巻く環境のこと、そして、そういう環境を変えない限り、個人に対する指導だけでは肥満の増加は食い止められないと言われる。最後に、「肥満にやさしい社会」でありたものですとおっしゃているのが、なんかうれしい。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カレーおじや、紅茶、コーヒー。
昼:野菜(キノコ、ニンジン、キャベツ)入りラーメン、甘納豆、焙じ番茶、柿。
晩:焼酎湯割り、しめ鯖、湯豆腐(豆腐、春雨)、ご飯、梅干し、焙じ番茶、紅茶。

2004.10.25


野菜が高くて

うちは「ポランの宅配」に野菜を頼んでいるのだが、当然のことながらスーパーで買うよりはかなり高い。でも美味しいので毎週けっこうな量を配達してもらう。でも葉っぱものは1週間もたないから、少なめにして無くなったらスーパーで買うことにしている。今日もスーパーへ行ったのだが、野菜が異常に高くて、なんかみんな野菜の前で考えているというか、立ち往生しているというか・・・。鍋物しようと思っても白菜を1/4買えば280円だもん。ほうれん草もすかすかの袋入りが298円だったかしら。10月になってから値上がりしていたキノコ類がちょっと下がっていたが、キュウリは1本100円超えていたなあ。
そうなると、お助け野菜はもやしですね。よく売れていた。わたしも買った。それから野菜売り場に堂々と切り干し大根があった。豆類の水煮も目立っていた。
そうなるとカタログの値段を見て注文しているポランの野菜が相対的に安くなっている。先週もっと頼んでおけばよかった。でも野菜ばかりは貯めておくわけにいかへんもんなぁ。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カレー味スープにご飯を入れたオジヤ、紅茶、コーヒー。
昼:かりんとう、焙じ番茶、柿、リンゴ。
晩:焼酎湯割り、ツバスのお刺身、もやしのゴマ和え、ご飯、みそ汁(カボチャ)、五目煮、海苔、梅干し、焙じ番茶、ココア。

2004.10.24


ゲバラ写真展

映画「モーターサイクルダイアリーズ」が上映されるのに合わせて、「ゲバラ写真展」がジュンク堂梅田店のあるビルの6階でやっている。明日までなのでVFCの例会前に寄ってきた。ゲバラはなんと言ってもわたしの“青春の思い出”だから。照れながら会場に入ったが、たくさんの人が来ているのに驚いた。若い人も中年の人もいる。
ゲバラはいい男である。笑顔がなんともいえず可愛い。戦闘服とブーツ姿がさまになっている。誰と一緒でも目立ってカッコいい。若くして死んでしまったので、美しいままの姿が残されている。それでいまや世界中の大スターになってしまった。わたし自身もそんな世界の空気の中で写真を眺めている。でもいろんな意味で行ってよかったと思う。
帰りにジュンク堂をうろついていたら、「現代思想」の10月臨時増刊「総特集 チェ・ゲバラ」(1200円)が見つかったので買ってしまった。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、キャベツのミルク煮、ハムエッグ+ポテトサラダ、紅茶。
昼:ベーグル(クラムベリー)、コーヒー、柿。
晩:生ギネス、フィッシュ&チップス、サンドイッチ、チーズ、アイリッシュコーヒー、ロシアンティー。

2004.10.23


レッドソックス贔屓

今年は野球(=タイガース)に関心を持たないで過ごしてきたけど、最後にはストやらなにやらと気になることがたくさん起こった。しかし野球そのものへの関心は薄れたままだ。新庄選手の活躍を喜んだくらいかな。
そこへ大リーグである。たいていの人はヤンキースを応援されただろうが、わたしはボストンレッドソックスを応援していた。もう20年にもなるけど、ボストンの私立探偵スペンサーが熱烈なレッドソックスファンだったから、スペンサーファンであるわたしもファンになったという単純なことである。ロバート・B・パーカーが書いたスペンサーを主人公とする作品を、10数年の間わたしは崇拝していた。いちばん好きなのが野球選手の危機を助ける「失投」だった。
よかったなぁ、「失投」。スペンサーには前の作品からつきあっている恋人がいたんだけど、ここからスーザン・シルバーマンが出てきたんだよね。そして事件の苦い解決の後に会いたくなったのはスーザンだった・・・。
あんなに熱中していたあのころがなつかしい。スペンサーとスーザンとホークの3人組が大好きだった。この3人が口に出す言葉が気が利いていて、日常生活にもよく利用したものである。ベーグルやホールホイートパンなどの食べものも教わった。そしてホークがホテルで注文するシャンパンとシュリンプカクテルもカッコいいと思ったなぁ。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、ポテトサラダ+ハム、紅茶、コーヒー。
昼:かりんとう、煎茶、柿、リンゴ。
晩:焼酎湯割り、ニラレバ、刻みキャベツ、ご飯、みそ汁(サツマイモ)、五目煮、梅干し、黒ゴマ、焙じ番茶、ココア。

2004.10.22


琉球泡盛

ずっと焼酎は匂いが嫌いで飲むのを避けていたが、今年の春に友人が「平蔵」という宮崎県の焼酎を送ってくれてから飲むようになった。コップからむっと香りがただよってくるのがいやでなくなって、おいしいと思うようになった。人間は変わるものである(笑)。この夏の終わりごろから、晩ご飯に泡盛の湯割りを飲みだした。それまでは相方が焼酎を飲んでいても、わたしはビールだったのだが。
なにもたいそうなことはない、スーパーに置いてある1000円しない泡盛である。「久米仙」「瑞泉」が近所のスーパーにあり、最初はその2本をかわりばんこしてたが、別の店に「轟」「琉球」があった。お酒の専門店マルシェに行くと、なんとまあ棚にいっぱいあるので驚いてしまった。「於茂登」というのを買っていま飲んでいるが、次々に変わったのを飲んでみよう。
容量はみんな600ミリリットルであるが「轟」のラベルに「懐カシノ沖縄泡盛三合瓶」とあるのを読んでわかった。昔から透明の三合瓶をつくっている工場があって、各メーカーは同じ瓶を使ってそれぞれのラベルを貼っているのだろう。どこの瓶もアタマが鮮やかなブルーのカバーで覆われている。このシンプルな瓶が好き。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、トリ胸肉の蒸し焼き+刻みキャベツ、紅茶、コーヒー。
昼:オープンサンドイッチ(ハム、レタス、トマト)、ミルク、柿、リンゴ。
晩:焼酎湯割り、イワシのフライパン焼き、大根おろし、ご飯、みそ汁(なめこ)、五目煮(ゴボウ、ニンジン、コンニャク、大豆)、納豆、らっきょ、梅干し、焙じ番茶。

2004.10.21


台風23号

今年は台風がたくさんきたけど、いままでのところなぜか大阪を避けている。今度はくるぞとそれなりに覚悟しててもこなかった。けど今日のはコースのど真ん中である。お昼前にちょっと近所に出たんだけど、長堀通りで東からの風で傘が吹き飛ばされそうになった。おー、こりゃくるで−。夕方きたらたいへんだと晩ご飯用にローソンで出来合いのおでんを買った。
わたしは台風のニュースをよく見る。強い風が吹き大きな波が打ち寄せる海岸を見るのが好きなのである。今日はかなりの時間ニュースつけっぱなし。家で仕事していると、こういうとき融通がきく。仕事は夜にまわしてとりあえずニュースを見ている。夕方、ちょっと近所を散歩してこようかなと思っていたら、ニュースで阿倍野区の女性が強風で転んで怪我をして入院したと言っている。あ、いま出かけてコケたらニュース種になるやんかと諦めておとなしく家にいることにした。
夕方6時、台風は泉佐野に上陸したという。ひどい雨になってきたが風はそれほどではない。うちは台所以外は窓やベランダがみんな西向きなので、西風でないとあまりひびかない。そのうち台所の窓に雨が叩きつけているのが聞こえた。と思ったら稲妻が走って雷が鳴りだした。ちょっと聞いたことがないほどごろごろが長い。怖くなってパソコンの電源を切って、早いけどご飯にした。台風が去ってからの西風がちょっときつかったけど、たいしたことなくわが家の台風騒ぎは終わった。
今日の献立
朝:サツマイモ入り味噌仕立ておじや、チリメンジャコ、梅干し、焙じ番茶、コーヒー。
昼:ドーナツ、コーヒー、柿。
晩:焼酎湯割り、おでん(ローソンのおでん4種類をうちの出汁で炊き直し)、茹でレタスの辛子マヨネーズ、ご飯、みそ汁(わかめ)、桜えび入り卵焼き、納豆、ラッキョ、焙じ番茶、ココア。

2004.10.20


「キミにもできるDJ基礎テクニック講座」(Kyo-Hey(HNMK-D)/HNMK-D編著)

いまごろになって“クラブ”とやらに出入りしはじめたものの、もひとつDJがやっていることがわからない。それで、勉強(笑)せんとあかんと思って借りた本である。これからDJを目指す人に向けたやさしい解説書だが、わたしが読んでもおもしろい。それはわたしが長い間LPレコードで音楽を聴いてきたからかもしれない。ターン・テーブルとかカートリッジとか長くつきあってきたものね。しかも同居人はターン・テーブルを自作していた。そのときの“門前の小僧さん”だから、普通の人よりもクソ知識だけはたくさんある。そのターン・テーブルがなぜ2台必要なのかというDJの基本がわかって、なるほどと思った。2枚のレコードを違和感無く“つなぐ”ということがまずあるのね。
ほんとに具体的に書いてある本である、なんて書いたが、実はわたしは技術的なところは跳ばし読みしている。コラムがたくさんあってそこがおもしろいのだ。DJは左右両手を使わなければできないという話がある。Kyo-Heyさんは右利きなので左手を使う訓練をしたが、それは日常生活で十分できるという。お米を磨ぐときは左手を使う、窓拭きも左手でするのである。
わたしはマウスを持つ右手がしびれるようになって、左手に持ち替えたが、その他のことでは右手ばかり使っている。また左手を使うようにしようと、まずお米を左手で磨ぐことにした。DJになるつもりはないが、なにごとも両手が使えれば便利だもんね。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、アイリッシュシチュー(残り)、ゆで卵、アボカドサラダ、紅茶、コーヒー。
昼:かりんとう、焙じ番茶、柿。
晩:焼酎湯割り、枝豆(紫ずきん)、うなぎ丼、ほうれん草お浸し、漬け物(野沢菜)、焙じ番茶、ココア。

2004.10.19


田辺寄席30周年記念落語会(2)

昨日の田辺寄席報告の続きです。
わたしは文枝師匠の噺を一度も聴いたことがなかった。桂あやめさんがまだ花枝さんだったとき、噺のマクラに、文枝師匠に弟子入りをしたとき車の運転手をやらされたそうで、そのときの失敗談をあれこれした。それで聴いたこともないのに、文枝さんに親近感を勝手に持っていた
文枝さんの出番がくると、見台と膝隠が立派なのにかえられた。後で聞いたのだが、屋久杉で作られたもので、桂三枝さんが貸してくださったとのこと。座布団も新しい薄紫色のが敷かれた。これも後に聞いたところでは、文太さんが田辺寄席用に用意されたもので初使用なのだそうだ。
文枝さんが現れると場内に緊張感が漂った。滑らかに噺がはじまった。こんななだらかな大阪弁ははじめて聞いた。どっちかというとこの噺は汚い言葉の応酬である。特に女房の言葉のえげつないことはこの上ない。しかし、喧嘩や言い合いの言葉がなだらかなのである。古き良き大阪弁と言ったらええのかな。感動した。
今回は入場希望者が多いことを予想して予約制であった。日にちを決めて、年間パスを持っている人を優先して予約、その次は『寄合酒』が毎月配布されている人の予約、その残りがあれば希望者に予約となっている。昨日は予約なしで来られた方が沢山おられのでお引き取り願ったとのこと。来月もそうなので、もし行きたい人がいらっしゃったら田辺寄席サイトを見てからにしてください。予約の日にちが書いてあります。
中入りのときお菓子を食べていたら世話人会の人から、「テレビのインタビューに出たって」と言われた。横にもうマイクとカメラがある。聞かれた質問に答えただけだが、はじめての経験。11月8日(月)夜の7時54分〜56分の2分間なので、ボツにされているかもしれないけど、まあ見たってください。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、アイリッシュシチュー、ハムエッグ、紅茶、コーヒー。
昼:野菜たっぷり入りラーメン、焙じ番茶、甘納豆、柿。
晩:焼酎湯割り、生節と豆腐の炊いたん、サラダ(水菜)、ご飯、みそ汁(カボチャ)、おから、漬け物(野沢菜)、焙じ番茶、ココア。

2004.10.18


田辺寄席30周年記念落語会〜文枝師匠の「船弁慶」を聞く会〜

9月に30周年記念落語会を3回やったあと、まだまだ記念落語会は続いている。今日は上方落語の大御所桂文枝さんが出演されるというので早起きした。どうせなら近くで見たいミーハー魂である。その甲斐あって前から2番目(一番前は首が痛いだろうから)の中央に座れた。噺家さんが目の前にいるのである。ラッキー。
今日の演目は、「開口0番・後藤一山」桂文太、「動物園」桂かい枝、「阿弥陀池」桂文華、「服部嵐雪伝」桂文太、「小言幸兵衛」桂文也、「船弁慶」桂文枝。
「後藤一山」は「くっしゃみ講釈」に出てくる講釈師の名前である。そのモデルが堀江の「ギョクリュウテイ一山」で、その口調が「くっしゃみ講釈」に残っているんだとか。
「動物園」は怠け者が移動動物園で着ぐるみを着て虎になる仕事にありつく話。かい枝さんはさらりと達者に演じた。「阿弥陀池」はうちの近所にある阿弥陀池和光寺の噺だから特に好き。文華さんは顔と噺がよく合っていた。「服部嵐雪伝」絵描きの嵐雪が芝居絵を描いて京都から追放され、大阪へ移住するが、また頼まれて芝居絵を描く。新町で遊んでいるとき納屋にいる病気の玉菊を見つける。遊女から足を洗うお金を出すかわりにモデルになってもらうが、その夜家で寝ていると玉菊の幽霊が出る。新町の遊女の幽霊、文太さんの色気のある噺にめろめろ。中入りがあって、「小言幸兵衛」は、子供のときからよく聞いていたが、内容はいろいろなのだろうか。この噺を聞いていたのかしら? 借家札を見て家を借りにきた人に、小言というより妄想を延々と話す幸兵衛に驚いた。文也さんはつかみがたい魅力がある。
さて、待ってました「船弁慶」。わたしはこの噺についてなにも知らないので先入観なしである。清六と喜八が友だち連中と船遊びに行くことにするが、口うるさい女房が帰ってきたのでごまかして出かける。船で芸者たちと遊んでいると、女房が川端で涼んでいて男どもを見つけ、タクシーみたいな船で遊びの船に近づき、夫婦喧嘩がはじまる。古き良き時代の船遊び。大阪の男と女のしゃべくりの妙に感激した。ものすごい早口で古風な大阪弁があふれる。最後は能「船弁慶」の仕掛けになる。おしゃれ。

2004.10.17


仲田まりこ個展

まりこさんとは2年前に知り合ったんだけど会ったことはなかった。2年前の個展に相方が行って楽しい女の子だったということだったが、その日が個展終了日だったのでわたしは行けなかった。ポストカードを買ってきてくれたのが気に入ったので、仲田万里子公式ホームページを見たら、ユーモラスな各ページに爆笑。ポストカードやバッジの販売ページに「商売の部屋」とタイトルをつけるなんてすごくセンスが良い。ちょうど、当サイトのリンクページを考えていて元気なページがほしかったときだったので、お願いしてリンクさせてもらった。
去年はまりこさんに会えると個展に行ったのだが、一足違いで会えなかった。その間にまりこさんは着々と仕事をしていた。あるとき朝刊にはさまれた無農薬野菜宅配のチラシに、見覚えのある元気いっぱいの少女のイラストを見つけて、頑張ってるねとメールした。
今日は3回目の個展でようやく会えました。少女のまま成長したような、すらりとしたまりこさんと、ずんぐりのわたしは並んで絵を見ながらおしゃべり。
今回のメインは立体を写真に撮ってストーリーをつけ、絵本をページごとに見せるような感じに展示したもの。ブタのぶうとぶーこの楽しいラブストーリーである。ぶうはぶーことデートの約束をした日、早く目が覚める。家はドールハウスのように作ってある。ベッドにはパッチワークのふとん、窓があってカーテンがある。森を通ってぶーこの家に着いたがぶーこがいない。嫌われたかと落ち込むぶうを森の動物が慰める。象が家まで背中に乗せて連れて帰ってくれる。そしたらぶーこが家の前にいる。早かったから迎えにここまで来ちゃったのとぶーこが言い、ハッピーエンド。カップルのブタさんの後ろ姿が可愛い。
横に立体物が並べてある。家の中が2つ、外観が3つだったかな。それからブタが何体か。各動物。それらを万博公園に持って行って撮影したそうだ。最後のシーンにはクローバーがあった。また森のシーンではキノコが入っていたので聞いたら本物だそうだ。
絵本ができたらいちばんに買うからね。
(仲田まりこ個展 10月24日(日)まで PM3:00〜9:00 土・日1:00〜7:00 場所 Erio 大阪市西区新町1-20-1 厚生年金会館の近く 電話 06-4390-5780)

今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、ハムと野菜盛り合わせ、紅茶、コーヒー。
昼:ビスケット、紅茶、柿、リンゴ、ぶどう。
晩:焼酎湯割り、蜂蜜鶏(トリ胸肉を味噌+蜂蜜+ショウガとニンニクをおろしたもの+酒を混ぜたのにまぶして冷蔵庫に数時間いれておく。ぬぐってグリルで焼く)+刻みキャベツ、ご飯、みそ汁(ヒラタケ)、カボチャの煮付け、おから、漬け物(白菜)、焙じ番茶、こるまめ。

2004.10.16


木犀香る

ようやく秋らしい季節になった。プール帰りに松島公園をひと回りして、公園の雑草の秋の様子を眺めて、その帰りは長堀通りに面した長堀抽水場の塀際のみごとな木犀14本を眺めてきた。
通るたびに感心しているのが、松島橋の近くにある鉄工所の外に積んである鉄パイプの間から、アカマンマとネコジャラシがうまく咲き競っている風景である。華道の先生がいけたって言ってもいいくらいのうまい生え方なのである。一昨日はその近くの電柱の足下にススキの大株があるのを見つけた。穂がたくさん風にそよいでいたので1本もらって帰った。その後に牛乳を買おうとローソンに入ったら、「あらススキですか、珍しい」と店員に声をかけられた。めっそないことだ。なんでそんなにアイソがいいかというと、50メートルくらい先にもうじきセブンイレブンができるからでしょう。
夕方はスーパーに行った帰りにうつぼ公園にちょっとだけ入ってきた。木犀の香りが漂っている。花を少し拾って帰り、小皿に入れてテーブルに置いたら香りが広がった。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、カボチャスープ、スクランブルエッグ、ハムとサラダ(トマト、レタス、紫タマネギ、ニンジン)、紅茶、コーヒー。
昼:焼き芋、ミルク、柿、せんべい、焙じ番茶。
晩:焼酎湯割り、ししゃも、おから(おから、卵、ゴボウ、ニンジン、コンニャク、干し椎茸、干しえび、揚げ、ネギ)、ご飯、みそ汁(モヤシ)、チリメンジャコ、漬け物(白菜)、納豆、焙じ番茶。

2004.10.15


熱いココアを飲みながら―Shu「On Se Les Roule…」

ものすごい暑さからようやく涼しくなったと思ったら、今夜はもう寒いくらいだ。去年はホットチョコレートをよく飲んだが、今年はココアがどうだろうとフランス製の有機ココアを1缶買ってみた。これはうまい、秋冬の夜の楽しみができた。
熱い ココアを飲みながらゆったりとした気分で聴く音楽は、10日の細野ビルのライブで気持ちよかったShu(山口修子)の「On Se Les Roule…」(オン スレ ルル)。
繊細な声で歌う4曲が収められている。もう何度も聴いているのだが、何度聴いてもあきない。わたしは気に入った曲は何度でも聴くほうで、それを“肉体化する”と勝手に言っている。
いままででいちばん何度も聴いた曲は、もう30年も前のブリジット・フォンテーヌ「ラジオのように」で、ほとんどの曲はそらで歌えるくらいだが、ShuのこのCDもそうなる予感がする。同じように繊細な美しい曲で、わたしのこころにささやきかけてくる。ブリジットのほうは才気煥発な歌詞に惹かれたが、Shuは「風の吹くごとに 雨の降るごとに ただ君を 想って…」と普通の言葉である。しかし、その言葉をShuがつくった曲にのせて、Shuが歌うと繊細な乙女心になるのである。疲れてこころが尖っているとき聴くとたちまち和みそうだ。(アズールレコードで試聴できます)

2004.10.14


体育の日

今日はプールに行ってきっちり1時間休まずに歩いてきた。血の巡りがよくなったような気がする。肩凝りは相変わらずだが、少しましになったのはメガネを新しくしたせいだ。目にあわなくなったメガネで目を使っていたら肩が凝るはずだ。午後は会報づくりに精を出した。今月も読みごたえがあるのができそうでうれしい。
晩ご飯の片付け後、ちょっと本を読もうかと思ったらK-1があった。お気に入りの須藤元気くんが出るので待っていたら、今夜も派手なパフォーマンスで登場。どこからこんなスタイルを発想するのだろう。そして試合も強いのである。強そうな相手だったけど、相手の目の上のところを膝でキックし深い傷を負わせてドクターストップとなって勝った。
その後はワールドカップサッカーアジア予選の試合を最後まで見た。危ういときがたくさんあったがよくがんばった。中田選手の次にお気に入りの中沢選手の活躍がたくさん見られてよかった。宮本キャプテンも好き。
今日の献立
朝:ご飯、みそ汁(大根、エノキ)、卵焼き+刻みキャベツ、シロテン、たくわん、焙じ番茶、コーヒー。
昼:クルミとアーモンド入りパン、ミルク、紅茶、柿。
晩:焼酎湯割り、ちくわ、レタスのお浸し、ご飯、三平汁、梅干し、焙じ番茶、大福。

2004.10.13


いらち

大阪の人は“いらち”だと言われている。先日の新聞にそれを実証する記事があった。わたしは大阪生まれではないが相当ないらちである。ということは、いらちになるのは生まれではなく、生きている環境なんだ。
今日も中央大通りの信号を渡るのに、青になる前に足を踏み出したら、あそこの信号は、その瞬間に「まだ赤です」と電柱から声が出る(笑)。「もう少しお待ちください」と大阪人の時間心理に合わせてあるのが腹が立つ(笑)。
先日、東京から昔の友人がきたので案内して難波を歩いているとき、赤信号のときに渡ったら、「大阪の人って信号を無視するのね」と言う。そしてたくさんの人が信号無視しているのを見て、「みんなで渡ればこわくないか」っていうので、「なに言うてんのん、それぞれが自己責任で歩いているんや」と怒ってやった。
信号はわかりやすい例えだが、人間関係なんかでもそうなってしまう。「大阪人はじっと変化しない状態で待つことが耐えられない」と新聞に大学の先生の言葉が出ていたが、わたしはその典型やね。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ(ニンニク、セロリ、ニンジン、タマネギ、エリンギ、キャベツ、トマト、自家製スープストック)、ベーコンエッグ、コールスロー、紅茶、コーヒー。
昼:焼き芋、ミルク、紅茶。
晩:焼酎湯割り、カツオのたたき、ご飯、小松菜とサツアマゲの炊いたん、みそ汁(白ネギ)、煮昆布、紅生姜、焙じ番茶、柿。

2004.10.12


音楽の悦び

細野ビルのジャズライブに今夜も行った。昨日のメンバーにソプラノサックスの平田葉子さんが加わり、ボーカルが東雲マリさんに変わり、また違う味わいがあってよかった。「朝日のようにさわやかに」ではじまったとき、幸福としか言いようのない気持ちがじわじわとわいてきた。昔ジャズを聴いていたころとは満ち足りかたが違う。昔はジャズに鼓舞されていたというか、先鋭的なもの、闘争的なものをジャズから嗅ぎ取っていたし期待していた。だからその先はもっと先鋭だと思ったパンクロックに行ってしまったのだと思う。心と体の官能や快楽よりもアタマの一部で聴いていたのだ。行き着いたところには音楽の快楽が失われていたのだ。その後はクラシックにもどり、オペラのCDをかけっぱなしで聴いていたりした。またその後はそのときどきで気に入ったものをジャンルなしで聴いてきた。
今年は jazz room "nu things"の阿木さんと再会して、いまはジャズなんだよと言われて聴きだしたという、たよりないことからはじまったのだが、そうなると神のお導きのごとく、新しいジャズを聴く機会に恵まれている。
「マイフェバレットシングス」「サマータイム」「You'd be so nice to come home to」・・・なんと、なんと、なつかしくて、美しくて、新しいんだろう。
最後の「オンザサニーサイドストリート」にいたっては涙が出そうになった。マリさんは英語で歌っていたのが突然、大阪弁になり「明日のことなんかどうでもええやん」って歌うんやもん。
帰りにベースの中島さんに挨拶して少しお話しした。「いまここで音楽を創っている喜び」を今夜味わったとおっしゃったのがうれしかった。演奏者にとっても聴き手にとっても素晴らしい夜だったのだ。興奮してまっすぐに帰れず、堀江へ出て8b ダイニングカフェでワインを飲んで帰った。

2004.10.11


細野ビルヂングのジャズライブ

うちから歩いて5分で行ける細野ビルヂングは、最近レトロなビルとして脚光を浴びている。あの汚いビルと言っていた若者も雑誌に出てからは口調が変わってきた。
今日明日はジャズライブをするからおいでと、細野さんが誘ってくださったので晩ごはんを食べてから出かけた。場所が好きだから演奏が少々へたくそでも、という気持ちもあったのだが、始まったとたんに熱くなった。
メンバーはドラムが岩本ヒロユキ、ベースが中島教秀、ギターが箕作元総、ボーカルが山口修子。ものすごくよかった。わたしはいまのジャズをまだつかみきっていないのだが、先日の jazz room "nu things" での辰巳哲也といい、よい音楽を聴かせてもらってすっごくラッキーである。岩本氏のドラムはものすごくスピードと重量感があって、70年代の日野明を思い出した。ベースもギターもうまかったし、ボーカルはこれこそジャズボーカルじゃんとうなった。
場所がいいこともある。岩本氏はここで演奏したかったと言われたが、高い天井の広いホールで、思い切りドラムを叩けて幸せだったに違いない。
中島氏のと山口さんのとCDを買って帰っていま聴いているけど、とてもよくてうれしい。明日も行く予定。

2004.10.10


楽しさの持続

VFCは1991年の11月に発足したので、今月の末でまる13年になる。ほんとにまあよくやってきたものだ。2・3年のつもりで引き受けたのだが、いつのまにやら10周年を迎え、それから3年経ってしまった。いま使っているコピー機のリースが終わる頃はやめようと思っていたら、もうその時期が近くなったらしくゼロックスから買い換えを言われている。また5年リースを組んであと5年がんばりますか(笑)。
わたしがVFCを引き受けたとき、いろいろな要望があったのだが、わたしがやろうとしたことはただ一つ、「楽しく語りあう」ことであった。バブル崩壊前の“できる女”みたいな人たちの集まりであることをやめ、生活から生まれる言葉を語ることを提案したのは、いまでもすごいことを考えたものだと思う。「楽しく語りあう」ということは、自分自身の言葉でなくてはならないのだ。斜めにかまえたり、上から見下ろしたりでは、楽しい言葉は出てこない。それに、こんな会で新聞記者が書くようなことを言ってもつまらない。書評家が書くような書評を書いてもおもしろくない。
自分の言葉で書くということは、毎月の会報で実践されていて、わたしは毎月の会報編集が楽しくてしかたがない。まだネットにはアップしてないけど、「旅に出る」「私の本棚」(今月から)など、楽しい連載があるのもうれしくてしかたがない。
しかし「楽しさの持続」はかなり難しいことで、楽しいからといって、日常のおしゃべりをそのまま持ってこられると困る。「楽しい」と「考えなし」とは別のものなのである。えらそうに書いたけど、13年間の蓄積から出てきた言葉です。

2004.10.9


テレビで青春ドラマを2本

「g : mt グリニッジ・ミーン・タイム」(1999)はイギリスの青春ドラマ。4人の仲間の高校卒業の4年後を描く。父親の遺産を相続した青年はプロデューサーとなって、友人たちのバンドを成功させようと奔走する。売り出すにはボーカルがいると言われて妥協するが、天才的なトランぺッターは去って行き、麻薬の売人になってしまう。カメラマン志望の青年はオートバイ事故で脊椎をやられる。一人バンドに残った青年はボーカルの女性といっしょに音楽をやっていく。悲惨な運命が待ち受けていたわけだが、前向きであろうとする気持ちのほうが強く訴えかける映画。
「タップ・ドッグス」(2000)はオーストラリア/アメリカ映画。シドニーオリンピック入場式のとき、すごく精力的なタップダンスがあって驚いたものだが、この映画はそのタップグループ「ブーツメン」の誕生物語である。鉄鋼の町に育ったショーンは鉄鋼労働者になるのを嫌い、父の反対を押し切ってタップダンサーになろうとしている。兄はトラックを買って自営業者になろうとして、車を盗み部品を売ってお金を貯めている。兄が喧嘩で死んで一時は踊ることから逃げるが、工場が閉鎖されるとき、ショーンは労働者のためにとタップダンスショーを工場跡で公演することにする。タップシューズは労働者の安全靴に金具を補強したもの。グラインダーの火花が散る鉄板の上で蹴り跳ぶ。迫力あり。
2本ともできてから4〜5年経っているけれど、新しい映画を見ていないわたしには新しい映画だった。2〜3年映画から遠ざかっていたので、これからは映画館までは行けないけど、せっかくのテレビ映画は見るようにしよう。

2004.10.8


サラ・パレツキー「ブラック・リスト」

待ちに待った「ブラック・リスト」。読み出したら物語に入りこんで猛スピードで読み進んだ。いつものことだが、ゆっくりと噛み締めて二度目を読む。いまはその途中である。
40歳になるあたりでヴィクが疲れを口にしだして、実は、わたしら読者はヴィクの今後はどうなるのか心配していたのだ。ヴィクは頭脳と経験を生かし、若い者が体を張ったらどうかなんて考えたこともあるが、それじゃヴィクではない。ここまできたら這ってでも闘ってもらいたい。
今回は疲れているけど、疲れたと言っている暇はないとばかりに走り回るヴィクがいる。ジャーナリストである恋人のモレルはアフガニスタンにいる。
サラ・パレツキーはニューヨーク貿易センタービルへのテロ攻撃以後、アメリカについて、また世界について深く考えたのだと思う。人々が恐怖に陥って思考を停止したかのような時期に、正気で腰を据えて考え抜いて書いた作品だと思う。
また、ヴィクがしっかりと非抑圧者の側についた行動をし、また軽口では富める者の生活と貧しい自分の生活を対比させるのも、いままで以上である。
サラ・パレツキーはハメット以来の真のハードボイルド私立探偵小説作家だということを、「ブラック・リスト」でわたしたちに証明してくれたと思う。

2004.10.7


お茶碗を洗いながら歌ったり考えたり

一日に3食をきちんと食べるし外食をあんまりしないので、毎度毎度ご飯をつくって食後には食器を洗う。このごろは相方の仕事がつまっていて、買い物にも食事づくりにもご協力いただけないので、全部わたしがやることになっている。つくるのはちゃっちゃとやるが、片付けるのがね。とは言っても、そんなに食器洗いは嫌いではない。ただ取っ掛かりが悪いだけである。やりだしたらハナウタ歌いながらやっている。このページのテーマもたいていそのときに思い浮かぶ。だから食器洗い機があったら困ると思う。食器を洗って台所の掃除というか、目に見えるところをざっと拭いておく。そしたらへんなところが気になって夜中の掃除になったりする。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、キャベツのミルク煮、ピーマンとキノコの入った目玉焼き、アイルランドブレッド+チーズ、紅茶、コーヒー。
昼:カレーパン、チョコレートパン、紅茶、柿、リンゴ。
晩:ご飯、みそ汁(舞茸)、イワシの煮付け、蓮根とピーマン炒め、漬け物(野沢菜)、煮昆布、焙じ番茶、まめ大福、柿。

2004.10.6


深夜の台所仕事

涼しくなったので台所で火を使うのがおっくうでなくなった。暑いうちはとにかくすぐに食べるものを汗をかきながらつくっていた。保存食をつくっておこうなんて思いもよらない。ご飯の前につくると,元々のいらちが必要以上にあせるのでうまくいかない。涼しくなってからは晩ご飯の後で、弱火にかけてじっくりと煮込みができる。
まず、夏の間に出汁をとった後の昆布を冷凍してあったのをゆっくりと炊いた。冷凍からもどして四角く切り、みりん、醤油、酢を入れて火にかけておくだけ。一度出汁をとった後のものとは思えない深みのある煮昆布である。
先日は梅酒の梅を弱火にかけておいたら、抜群においしいジャムになった。ヨーグルトととても合う。今日はアンズ酒が3カ月経ったので、お酒を瓶に移し残ったアンズを弱火で煮てみた。ちょっと早かったかなと思ったのは、梅は去年のを取り出して冷蔵庫に入れてあったものだったから。
それで急に気になってネットで調べたら《アンズ1キロを氷砂糖200グラム、ホワイトリカー1.8リットルで漬けて、6カ月後にアンズを取り出す》と書いてある。ありゃー、早く出し過ぎたかー、もう煮てしまったやん。味は果肉が多い分、アルコール分が多い。ケーキに使えそう(ケーキって誰がつくるの?)。
来年は書いてあるとおりにしよう。今年はクコ酒の残りのリカーで漬けたので、量も少ないし蜂蜜を入れたので、色が少々濁っている。でも味はすごく良い。アンズ酒って冷え性に効くんだって、そして寝酒に良いそうだ。これはほんとうだ、もうやっている。
今日の献立
朝:ヨーグルト+梅ジャム、カボチャスープ、キャベツとハムと卵のバタ炒め、紅茶、コーヒー。
昼:お茶漬け(鮭、梅干し、こるまめ)、煮昆布、ラッキョ、焙じ番茶、柿。
おやつ:ギネスケーキ、紅茶。
晩:焼酎湯割り、鯖の煮付け、チンゲンサイの辛子マヨネーズ、ご飯、みそ汁(大根、エノキ)、おから、納豆、漬け物(野沢菜)、焙じ番茶、コーヒー。

2004.10.5


女性専用車に乗った

張り切って梅田まで行ったのに、お目当てのウィリアム・モリス展は昨日で終わっていた。昨日の夜大丸梅田店の前を通ったとき、「ウィリアム・モリス展」のポスターを見たので、頭から火曜日までと信じ込んで今日行ったんだけど、日曜日で終わっていたんだよね。あーアホくさ。
しょうがないので、英国展をゆっくりと眺めて、KAZUMIさんのサイトで教えてもらったスチルトンチーズを買い、ついでにアイリッシュブレッドとギネスケーキを買った。その後は行き慣れた阪神百貨店で、古びてしまったサイフの替りを買って、晩ご飯の魚その他を買った。
御堂筋線でちょうど女性専用車が前にきたので乗った。通勤時間だけなら関係ないが、土日を除く毎日の終日になったので、わたしも乗れる。乗ってみたら男性がけっこういる。男性はいままでどこであれ、自分が拒まれることがなかったんじゃないかしらね。だから電車が止まったら乗るだけなのね。わたしの前に座った女性(ハタチくらいのとてもおしゃれな子)が、隣に座った男性に「ここは女性専用車です」とドスの利いた声で言った。そしたら男性のほうは「えっ!」と驚き、外へ出るか隣の車両に行った。計4人、サラリーマン風。梅田から心斎橋までを観察していたが、その他の女性たちは他のことには無関心な感じ。男性たちもなにも気がつかずに乗っている。他の車両より少しだけ空いていた。
わたしとしては、女性専用というのはあまり好きではないが、長い年月の通勤電車でどれだけ痴漢にあったか数えきれない。思い出すだけでアタマにくるもん。専用車で女性が痴漢に出会うのが少しでも防げるならいい。
今日の献立
朝:梨、ヨーグルト+梅ジャム、カボチャスープ、オープンオムレツ、紅茶、コーヒー。
昼:アイリッシュブレッド+スチルトンチーズ、サラダ(ポテト+レタス+トマト)、ミルク、紅茶。
晩:ご飯、みそ汁(なめこ)、よこわのたたき、おから、煮昆布、焙じ番茶、コーヒー。

2004.10.4


突然、秋になった

昨夜はいつものように2時過ぎに横になったのだが、今朝起きたのは昼の12時だった。まる10時間ぶっとおしで眠っていた。相方が早朝散歩に行ったのも帰ったのも知らなかった。おかげで気分は上々である。
タオルケットなど洗濯をたくさんしたが、あとは本を読みながら相方が仕事を片付けるのを待った。ヨドバシでパソコンのソフトを買ってから晩ご飯をたべようというわけ。結局出発は7時になってしまった。
朝昼兼用ご飯しか食べなかったのでお腹が減って、ヨドバシではぶらぶらせずに決めてあったものだけ買って、さっさとシャーロックホームズへ行った。
後はのんびりしゃべりながらギネスを飲んだ。お店ものんびりしていてウィスキーとチーズをサービスしてもらい上機嫌で帰ってきた。
今日の献立
朝昼兼用:バナナ、ヨーグルト、野菜スープ、じゃがいものブレーメン風、紅茶、コーヒー。
おやつ:柿
晩:ギネス、ウィスキー、ソーセージと野菜の盛り合わせ、フィッシュ&チップス、チーズ盛り合わせ、コーヒー。

2004.10.3


ベルリンブックスで見つけた本、長沢節「弱いから、好き」

先日、心斎橋に行ったとき、久しぶりに古書店「ベルリンブックス」に寄った。好きな人の本って目に飛び込んでくるものだ。1989年に出た長沢節の本である。手に取ってそのまま離さずに他の本を眺めて、片山健の絵本を見つけて2冊を買った。店主と少し話をしてから帰ったがうれしくてしかたがない。でも、まだ「ブラック・リスト」を読んでいるので、こちらはお預けである。
「ブラック・リスト」を駆け足で読み終わっって、時間をおいてもう一度読むことにした、その前に一息入れようと長沢節を読む。「弱いから、好き」、なんて素敵なタイトルなの。
わたしが長沢さんを好きになったのは少女時代、「白鳥」という雑誌の表紙と名作物語の挿絵であった。(このことは長沢さんが亡くなった1999年6月に書いているのでお読みください。)
その後どうしてはるかと気になっていたが・・・ファッション誌での活躍や、セツモードセミナーの存在をいつごろ知ったのかしら。なんとなくお元気なんやと安心したりして・・・。
それからずっと後になって雑誌「装苑」や「ハイファッション」で映画を中心にしたエッセイを連載されているのを愛読した。ファッション雑誌が元気でおもしろかったころだ。だからこの本は一度読んだものが多い。ダニエル・デイ・ルイスの美しさを書いたものなどよく覚えていた。お風呂やベッドのことなど独身で気ままな生活ぶりなど、私生活を書いたところもおもしろい。足首の細い男性への偏愛も楽しい。
「男の優しさ」という章に、「あの人、弱いからきれい」「あの人、弱いから好き」「あの人、弱いからセクシー」というのが私の三段論法だと書いておられる。1989年に書かれていたことを、わたしはいまごろになって理解した。

2004.10.2


米のめしが好き

毎日1回はお米のご飯を食べる。白いご飯が好きなのだがそれではいけないと、玄米にしたり麦飯にしたりしたが長続きしなかった。何度かやったのだがいつのまにか白いご飯にもどってしまうのである。
それが、去年ポランの宅配のカタログで「十穀源」というのを見て注文してみたら、これが大ヒットだった。国産の「黒米、きび、丸麦、はと麦、あわ、赤米、玄米(焙煎玄米)、緑米、たかきび、ひえ」が入っているそうだ。お米1合に対して大さじ1杯入れて普通に炊く。わたしは少し多めに入れるのだが、このご飯が格別おいしいのだ。温かくておいしく冷えてもおいしく、おにぎりがまたおいしい。
最近よくおにぎりを食べるようになったのだが、つくるのも上手になった。恥ずかしながら、わたしは手仕事が全然ダメ。料理もちまちまと切ったり加工するのはダメ。もひとつ恥をさらせば、いなり寿司、巻き寿司、ちらし寿司をつくったことがない。おにぎりも適当に俵型にしていたが、阪神大震災のとき、ボランティアでおにぎりをつくるはめになったらどないしょうと思って、三角おにぎりの練習をした。さいわいボランティアのほうは、得意なしゃべりを生かしたものばかりですんだのでやれやれだった(笑)。
今日の献立
朝:バナナ、ヨーグルト、おにぎり(昨日の残り/鮭、梅干し)、みそ汁(揚げ、小松菜)、薩摩揚げ、カボチャの煮付け、白菜の浅漬け、焙じ番茶、コーヒー。
昼:トースト(オリーブオイル、ブルーベリージャム)、ミルク、柿、リンゴ。
晩:焼酎湯割り、ブリの塩焼き、卵焼き、茹でブロッコリー、ご飯、みそ汁(大根)、伏見唐辛子とチリメンジャコの煮物、漬け物(たくわんを刻んでカツオ節と醤油)、焙じ番茶。

2004.10.1

写真:『ブラック・リスト』と自家製プラム酒

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