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kumikoのほとんど毎日ページ

1999年5月


新しい靴

新しいウォーキングシューズを買った。真っ白を毎年初夏に買う。アシックスのSALUTISというブランドの22.5cm。この靴に決めてから数年経つが足にぴったり、形もシンプルであきがこない。
わたしの靴歴は長い。年齢のせいもあるけど、ずっと現役で働いていたから、同世代の他の人よりも靴を履いている時間は長かったと思う。おかげでしっかり外反母趾です。22cmの細い靴をはいて歩きすぎたせいだ。
「意外とおしゃれ」って割といわれるんだよね。意外と言われるのは意外(笑)。わたしはおしゃれでは人に負けへんで。ただおしゃれがずれているので、見分けがつかない人にはつかないだけです。えっと、そんわけで、靴にはずいぶん凝った。真っ赤なハイヒール、バレリーナのようなストラップのついたやつ、細い紐の絶対素足ではくサンダル、長いのや、くるぶしまでのやらのブーツ。
それがいつのまにか履きやすい、歩きやすい靴になっていった。悲しいけど、これが年齢というものなのね。しかし、ランニングシューズ、ウォーキングシューズにも凝りました。ブランドものをかたっぱしからはいた。
ようやく落着いた。スポーツ用品アシックスの売場へまっすぐ買いに行く。

1999.5.31

朝顔の苗

「母の日」プレゼントセールというのを近所のスーパーマーケットでやっていて、朝顔の苗を帰りにレシートと引き換えにくれる。朝顔の苗なんてほしくもないけど、タダだしね、ビンボー人根性でもらって帰った。きれいな植木鉢に植え直したら、それなりに可愛いものに思えてきた、不思議。
朝顔を育てたのはもう20数年前のこと、泉北の団地に住んでいたとき、ベランダの柵にそわせて沢山咲かせたことがある。外から見えるのが自慢でね。
いま住んでいるマンションのベランダは柵でなく、壁になっているので、つるをそわすことはできない。上のほうへ伸ばすと洗濯物を乾すのに邪魔になるから、植木鉢に針金を4本立てて、つるをぐるぐると巻いていくことにした。いやいや、早く伸びますねえ。双葉だったのに、大きい葉がいっぱいついて、にぎやかに育っている。
いつ花が咲くのだろう。何色の花が咲くのだろう。咲いたらまたこのページに書くからね。

1999.5.30

映画「ペイバック」

久しぶりに映画館へ行った。ストレス解消に行こうぜ、ということで文芸ものは避けて、悪党パーカー・シリーズの映画化「ぺイバック」に行くことにした。
原作は62年発表された「悪党パーカー 人狩り」、67年に映画化されている。その映画「殺しの分け前 ポイント・ブランク」は、リー・マーヴィン主演で忘れられないハードボイルドでスタイリッシュな映画だ。今回はそのパーカーをカーターという名前にして、メル・ギブソンが主演している。素晴らしい前作があるものだからつい比較してしまうが、それなりに楽しめる映画だった。

古風な悪党のカーターは、チャイナ・マフィアから強奪したお金を仲間に取られて、妻に撃たれるという不運なことになったが、再起して町へ戻ってくる。そして次々と邪魔するものを殺しながら、取られた7万ドルを取り戻そうとする。だんだん組織へ入り込んでいき、端した金と笑われるようなお金を取り戻すために組織の中核まで到達し、体を賭けながらも平静に行動する。拷問にあって1本、2本と足の指を折られ、ついに自白するのも、冷静な計算の上のこと。最後に愛する娼婦と逃げのびる。
そこで思い出したのが「グロリア」だ。もと組織の女と少年が逃げのびる。ほんの少しのほっとした結末。それで終わるわけではない不安があるのだが、つかの間のほっとした気持ちが映画の余韻として残った。同じように「ペイバック」は逃げのびるが、これで終わるはずがない。逃げるクルマの中で「おまえが娼婦をやめたら、おれは銃を持つのをやめる」とカーターが言っていたが、当然できないだろうと思わせる現実感覚が最後にあって、映画を生かしていた。

1999.5.23

プロレスの思い出

「週ボラ」のメンバーにプロレスファンがいる。子どもの時からずっと現役バリバリの25歳のプロレスファン。話し相手をしているうちに、だんだんわたしにもプロレスファン時代があったことを思い出した。
このページには昔話が多くて恐縮だが、やっぱり20年くらい前の話です。
突如、長州力のファンになって大阪府立体育館へ通った。あの当時の名勝負をほとんど見た。スタン・ハンセン、アンドレア・ジャイアント、タイガー・ジェット・シン…懐かしい響きですねえ。日本人では長州のほか、アントニオ猪木、アニマル浜口、谷津…が好きだった。長州力って金太郎さんみたいに可愛くて強かった。
仕事を終えてタクシーに乗って体育館へって言うと、運転手が「体育館でなにをやってまんねん」と聞くので「プロレス」と答えると、「はーっ、夫婦でプロレスでっか」だって(笑)。リングサイドへはよういかなくて、そのうしろの階段みたいなコンクリートむき出しの席で6000円だったかな。建て直す前の体育館は、汚くて、臭くてね。あの熱狂を知っているから、リザ・コディのプロレスラー・シリーズに愛着を感じるのかもしれないなあ。

1999.5.19

リザ・コディ「闘う守護天使」

リザ・コディ「闘う守護天使」(ハヤカワ・ミステリ 1,100円)はロンドンの悪役女子プロレスラーで「ロンドンの女暗殺者」というリング名を持ち、「バケット・ナット」(バケツ顔のいかれた女)とも呼ばれるエヴァ・ワイリーが主人公のシリーズ第3作。リザ・コディと言えば「見習い女探偵」で登場した人で、堅実なイギリス人と思っていたし、探偵のアンナ・リーもOLみたいな感じだったので、第1作「汚れた守護天使」が出たときはほんとうに驚いた。ロンドンパンクのミステリ版って感じと言ったらいいかな。しかも、あのアンナ・リーがたくましくプロの探偵として脇役登場しているのも楽しい。
原作はどうなのかわからないけど、翻訳は「あたしはこう思うんだ…」って感じで、会話体が最初から最後までよく続くので感心した。いやみを感じさせないところがさすが。
この3作目は美しいが裏のある姉のシモーヌが、エヴァの人の良さにつけこむのにいらついたり、ちょっとわけのわからんトレーナーのキーフの登場にほっとしたりとプロの作家の技に酔った。
ロンドンのプロレスの舞台から追放されているエヴァが、キーフの助っ人でリングに上がるところもサービスされていて楽しく読めた。

1999.5.18

大豊さま

例年5月で野球シーズンが終わってしまうから、あとはのんきに過ごせる。が、今年はシーズンが長そうな予感がする。レンタルビデオを借りるお金が節約できるけど、毎日、毎日、野球の中継をテレビで見る。ええ加減にせんかいと思わないでもないけどね。
ええっと、今日は機嫌が良い。わかるでしょ。2位阪神タイガースが首位中日ドラゴンスに勝った。2.5ゲーム差に詰め寄った。その勝ち方がドラマチック。10数年前のあの年を予感させる。あの時はバックスクリーンにたたき出したバース、掛布、岡田の3人連続ホームランだった。
今夜は4:0で勝っていたのに、9回表4点とられて同点に。えらいこっちゃ。ところが、9回裏2アウト、フルカウントで代打大豊選手が見事にホームラン。鳥肌が立つたわ。ほんまに、ほんまに、こんなドラマチックなチームが他にあるだろうか?

1999.5.14

朝からおから

近所のスーパーマーケットに最近おからが売っているのでありがたい。
おふくろの味というけれど、わたしのおふくろの炊いたおからはおいしくなかった。煮魚の残りの汁かなんかで炊いていたのだと思う。
わたしのは豪華版です。そして文学的。荻昌弘という料理の好きな映画批評家の本に、おからは「煎って、煎って…」と京都の料亭のおかみさんが言ったと書いてあった。
もうひとつ、吉田健一の小説「東京の昔」の中で、登場人物が食事によばれて「あそこのおからは海老が入っている」と主人公が下宿している先のおからを食べるのを楽しみにしているので、なるほどと思った。だからわたしのおからは海老入りで、念には念を入れて煎ってある。
今朝の献立は、ごはん、みそ汁(油揚げ、大根)、にしんの干物、つけもの(キャベツ)、それに、おから(卵を入れて煎り、海老、油揚げ、人参、牛蒡、干し椎茸、青ネギ入り)でした。

1999.5.14

左手にマウス

左手にマウスを持つなんて考えられる? 知合いがマウスを左手に持って仕事をしているという話を聞いて、発想の転換やんかと思い、真似することにした。その人は左手にマウスを持つほうが、右手でキーボードを操作することが多いので合理的だと言う。
わたしはそんな立派なことではなく、マウスを右手で握り締める癖があって、意識して直そうとしてもどうにもならないという情けない話なのだ。肩は凝る、親指は痛む…。
とにかくぶきっちょなので、右手でもヘタクソだけど、もっと利かない左手に持ちかえてみた。最初は苦労した。もっとも、右手だって最初はうまく扱えなかったのだ。1ヶ月を過ぎてようやく慣れてきた。これで異常な右肩凝りから解放されそうでうれしい。

1999.5.10

10ヶ月ぶりの「週末ボランティア」

「週ボラ」に参加してから3年目。しかし、休みすぎると、なんとなく行きそびれてしまいます。「今週の資料」という毎週参加者に配る資料に、ホームページの「掲示板」の内容をプリントアウトしてFAXする在宅ボラを引き受けているので、縁が切れていたわけではありませんが。
でも、やっぱり現場に行かねば…。なんと10ヶ月ぶりの仮設住宅訪問です。「掲示板」で知りあった青年と組ませてもらって出かけました。去年の7月は、軒並み訪問して、空き家が多かったことを覚えています。今回は残っているお宅を指定されて、あちこちの仮設住宅に伺いました。
クルマで移動したのですが、行き先を探す途中、いちばん大きかった西神第七仮設をはじめ、公園の中や住宅地の一角にある十数ヶ所の仮設住宅を見ることができました。ほとんどのお宅が引っ越されて、残る僅かの人たちが心細く、ひっそりと暮らしています。話しだすといつまでも尽きなくてね。お話し相手ボランティアの醍醐味ですね。
しかし、これからの公営住宅での生活の不安を思いやると、仮設住宅訪問から公営住宅訪問に引き継いで行かねばならないと痛切に感じました。わたしの神戸行きは、休みながらもまだまだ続きそうです。

1999.5.9

中原淳一展

中原淳一はわたしの子どものころの神様だった。「それいゆ」という雑誌を取り寄せていた姉が、その姉妹誌の「ひまわり」を買ってくれた。この雑誌で、泰西名画というものに目覚め、クラシック音楽に目覚めた。それ以上に「おしゃれ」というものにはじめて目覚めた。わたしの着るもの、インテリア、なにもかも、中原淳一から出発したと言って過言ではない。
展覧会があると行くし、復刻版もたくさん買っている(一応見てからすぐ古本屋に売った)。これって懐旧の念で、わたし的(流行りの言いかたを使ってみた)ではない、と今回強く感じた。
「太陽」とか女性誌の特集を立ち読みしたけど、これらは懐旧の念でしかない。その点、少女向けの雑誌「オリーブ」は、いまの少女たちに向けて、ひとつの時代を生きた中原淳一について話している。そして、いまも通用する彼のセンスを伝えている。気に入った。
とはいえ、絵はがき、ねえ。こんなセンチな絵はがき、出すところがないよね。でも買ってしまった。これくらいは許しておこうか。

1999.5.7

木村仁良さん訳「悪党パーカー エンジェル」

リチャード・スターク「悪党パーカー エンジェル」(ハヤカワ文庫 620円)は23年ぶりに書かれた「悪党パーカー・シリーズ」の新作の翻訳です。
わたしがこのシリーズを知ったのは、そんなに古いことではない(とはいえ、23年以上前のことであるのはたしか)。どれだか忘れけど、とても面白い1冊を読んで、これは父親向けだと思ったのね。それで、親不孝者が久しぶりに父親を訪ねて、「これ面白いで」と渡したら、「そこを見ろ」と言われてね。そこの本棚には「悪党パーカー・シリーズ」が、ずらりと並んでいました(笑)。借りて帰ったことは言うまでもありません。

その後、第1作の「人狩り」を映画化した「殺しの分け前/ポイント・ブランク」(リー・マーヴィン、アンジー・ディキンソン主演 1967)を見たんだけど、前衛的で非情な映画でした。最近ビデオで見たけど、色あせていませんでしたね。
わたしはあんまり泥棒の小説は好きでなくて、ローレンス・ブロックの泥棒シリーズなんか1冊読んで、もういいやって感じ。だから悪党パーカーと同じ作者(本名で書いている。ドナルド・E・ウエストレイク)の、泥棒ドートマンダー・シリーズは抜けたところが好きだけど、「大好き」と言うには、もうひとつ…です。
悪党パーカーはとことん強くて悪いところが大好き。この「エンジェル」でも、強盗して仲間割れするんだけど、その相手と徹底してやりあう。そこまでして強盗するんやったら、お金なくても家で寝ているほうがまし、と思うけどね。たいへんな苦労というか、アタマも気も使い、危険をおかしてお金を奪い、分配にも危険がいっぱい。道徳感がまるでなくて、強盗仕事のためなら人殺しも平気。でも信じあっている仲間とはしっかりと手を組んでいく。つかまるかもしれない危険をおかしてでも、指定の場所に行くんだもんね。
パーカーという人が、とてもスタイルが良くて、きりっとしていて、知的で、と思えてしまうのもリー・マーヴィン演じるパーカーを見たせいかもね。メル・ギブソン主演の「ペイバック」は再映画化だそうですが、ちょっと甘いパーカーになってしまいそう。ま、それもいいか…。

1999.5.6

若葉のトネリコを見てきた

この「ほとんど毎日ページ」の去年11月26日に書いた「トネリコの木」の若葉を見てきた。4月末まで、箕面の病院にいた父親が退院したので、これからは千里中央へしばしば行くことになる。ということで、道すがらトネリコの木の1年を見守ることができる。
街路樹だから当たり前だけど、ずうーっと並べて植えてあるのがうれしい。すっかり見事な若葉。もう少し早く見たかったなあ。でも数本は花かと見間違うほどの赤っぽい新芽が色っぽい。どっちかというと普通の木って感じ、そりゃそうだ、長い間ここを歩いてきてなんとも思わなかったんだもの。
でもね、これがトネリコの木って思うとね、なかなか感慨無量のものがあるわけ。

1999.5.2

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