若狭だより 24
上村 縁
昨夕も雷と共に、すっごい雨が降ってきました。おかげで2晩続けて、涼しく寝ることができました。田舎は、土の出ている部分が多いからか、樹木が茂っているせいか、一雨くると、結構涼しくなってうれしいです。が、朝9時にもなると、むしむしと暑いですがね。
さきほど、すぎやさんの「ほとんど毎日」のページを見て思ったのですが、夏と言えばこちらでは「くずまんじゅう」ですね。小浜のすべての和菓子屋さんで売られております。前は梅雨のなかばあたりから、売っていたのですが最近では、G・Wごろから売り出しています。若狭で「くずまんじゅう」を知らない人はいないというくらい、かなりメジャーなお菓子です。
くずまんじゅうとは、直径5センチくらいの半球形のお猪口に入っています。その名の通り、まわりはくずで、中にあんこ(こしあん)が入っています。くずは、冷やしすぎると白く濁ってしまうので、冷蔵庫や氷などでは冷やせません。天平の昔から奈良に水を送るほどの(お水取り・2月堂)名水の地である小浜なので、汲み上げられた地下水を流しながら、つけ込んで冷やします。そして食べるときに(購入する時)お猪口から、ポコンとはずしてもらいます。透明なくずのなかの紫色のあんこ。とても涼やかです。
口にいれると、ポニョポニョして、どんなに食欲が落ちていても、3個は食べられる逸品です。又、冷たすぎないので、からだにもやさしいですよ。夏バテには「くずまんじゅう」お勧めなのですが、賞味期限がその日限りと短いので、こちらにお立ち寄りの際にはぜひ!と申し添えておきます。
名水の土地には、くずまんじゅう(みずまんじゅう)があるのですが、私は小浜市一番町の伊勢屋に勝るものをまだ見たことがありません。ここではイートインも出来ます。でも座席は7人ほどでいっぱいですが。座って「5個」とか「3個、4人分」とか言うと、店先で冷やされている、くずまんじゅうをガラスの容器にお猪口から外して入れてくれます。そして、その地下水をコップにくんで、一緒にもってきてくれます。水のおいしさもさることながら、くずまんじゅう、絶品です。最近では代替わりされて、形も半球形一辺倒ではなく、紅葉型・雲水型など、バラエティに富むようになってきました。でも形は変わったけど、味はそのままです。
ちなみにうちの凜はもう、「くずまんじゅうlove」で、毎年売り出されるのを心待ちにしています。お客さんとか来られると、「伊勢屋」にお連れするので、必ずついていって、「3個、紅葉いれてね」とか頼みご満悦です。誕生日にはケーキでなく、くずまんじゅうにしてといつもリクエストしているのですが、あいにくお盆生まれで当日は毎年小浜を離れているので、実現したことはありません。そして「ああ、くずまんじゅうの大食い大会ってないかなぁ」と夢見ています。自己最高記録は、7個(ババストップ)です。
これから、夏に向けて海水浴などご計画の折りは、ぜひ小浜近辺へいらしてください。そして「くずまんじゅう」をぜひご賞味ください。本当においしいですよぉ。食べたくなったので、今日は図書館の帰りに行こうっと。
2001年6月