若狭だより 18/大阪での一日
上村 縁
8月6日大阪へ文楽を観に行きました。小浜の働く婦人の家という公民館に母を迎えに行ったおり、そこで夏休み親子劇場のパンフを読み、演目も「うりこひめとあまんじゃく」だし、一回は観てみたかったので、行くことにしました。チケットも電話でとりましたが、すごくスムーズにとれ、なんかあせって電話して損した感じでした。
子供達には、昔からある人形劇と説明しておきましたが、ふたりともデベソ(出掛けたがり)なので、別にそんなことはどうでもいいような感じでした。
国立文楽劇場は15年くらい前に、母と社長の奥さんに招待されて(券があまってるとかで)山田五十鈴ショーを観に行った経験があり、場所も把握しているはずでした。が、やっぱり又迷いかけました。まっすぐ行けばいいのに、ついつい人の流れにのってしまって、多分場外馬券売場へ行く人達の流れに引き寄せられかけたのですが、途中で確か、前は曲がらんかったと思いだし、100メートルほどで、引き返すことができました。いいわけをするなら、劇場は前来たとき、むっちゃ立派な外観のような気がしていたのですが、ビルの間にひっそりと建っていたので、気づかなかったのです。
まそんなこんなで、無事ついて、観劇する事が出来ました。文楽なんて伝統芸能は高飛車にかまえてて、子供には楽しめないかと思ってたら、さすが大阪発祥の文化。そして今回の演目は裾野をひろげるためか、あちこちに最近のギャグがはいっていたり、とっても楽しく子供達も引き込まれていました。お勧めです! 夏休み子供劇場。なんか毎年やっているらしいので、又来年も来ることにきめました。その時は、必ずカメラを持ってこようと思います。なぜなら、帰り際は出てきた人形が挨拶したり、記念撮影してくれたり、大サービスだったし。実は料金も子供は特別料金で安いし、午前11時からなので、機会があったらいってみてください。本当によかったです。
一人でこれる機会があれば、2部や3部の(うちらが行ったのは1部)本格的なのも観たい。
で、その後おねえちゃん希望の「アランジアロンゾ」へ行って、心斎橋方面に出ました。日曜のせいかすっげー人。多分ここにいる人達は小浜の総人口より多いなと、感じながら、「のどかわいた。おなかへった」と下の方でピーチクピーピー、さわいでいるので、スターバックスに行くことにしました。杉谷さんがおっしゃていたように、人があふれかえって座るどころではありませんでしたが、うちのおねえさんの、得意技。すばやく空席を確保で、私が注文している間に、ちゃっかりと座って待っていました。─おそるべし、りんちゃん!─その間、都会ではお人形さんになってしまう葉月はその名のごとく、月のように私の周りをグルグル回っていました。
エンジンを補給したりんねえちゃんは、次に行った東急ハンズでブレイクしていました。手始めにチェキで、写真を撮ってもらい、自分一人ではいけないと思ったのか「すいません、妹も撮ってやってください。」と頼みちゃっかり自分も入り、2枚も撮ってもらっていました。あちこちでやってる体験コーナーでは、試食品があれば、必ず食べもちろん「妹の分」作戦も行使し、3人分はもらってたかも。プリントものも「おじさん、うちはこれとこれをこうしてほしい」と、ひとりで注文を出し、友達用のバースデーカードを作ってもらってたし、水を得た魚とはこのことをいうんやな。というぐらい生き生きしておりました。
もちろん、その後に行ったデパートの地下食品売場では、独壇場。あちこち食べ歩いたり、飲み歩いたりしていました。彼女のすごいところは必ず、「うわー、おいしい。こんなん食べたことないわー」「ありがとうっ」と言いまくることです。そしてその勢いに売り子の人達が巻き込まれて、よりたくさんのものをゲットすることです。その姿をみるにつけ、私はここで、はぐれても、お金持ってなくても、きっと一人で家まで帰ってこれるんやろうなあと、妙に感心してしまいました。
本当にすごいですよ。うちのりんねえちゃんは。運動も勉強も音楽もいまいちだけど、ひとづきあいは天下一品。どんな環境でもすぐ順応できるし。人間なにか取り柄はあるんだよなあと、自分の娘をみて再確認します。だから、ついつい暗算間違えだらけでも、怒れんのよねえ。(いちおう本人の前では叱っておきますが)
ここまでだと、はづきは活躍していないようですが、実は水面下で活動しておるのです。人前ではおねえちゃんが陽なら、彼女は陰。おそろしいことに、ほしいもの(食べたいもの)の試食品の前にくると、おねえさんやおばさんにニッコリ微笑むのです。その姿に感動した売り子さん達によって、ちゃっかりと戦利品を勝ち取るのでした。ねえちゃんがストレート攻撃なら、妹はジャブをはなってるってとこですかね。人前だと恥ずかしくてしゃべれないのに、キチンと自分の要求は通す。すごいよなー。でも、ねえちゃんみたいに帰ってきたりはできんやろけど。でも、この二人やったら私がおらんようになってしまっても、なんとかやっていくんやろなあと、感動してしまいました。
2000年8月