若狭だより 15
上村 縁
昨日の晩、もう少しで大騒ぎになるところでした。
いつも、子供達は子供達だけで部屋に寝ています。昨日は寒かったので、寝るときに消すストーブをつけたままだったので、見回りに行きました。豆球しかついてない部屋は薄暗く、はっきり見えませんでした。そしてストーブを消し、布団をけっていないか、確認したところ、暑かったのか葉月(下の娘)の姿が布団の中にありませんでした。「あれまぁ、とんだ寝相だなぁ」と思い、かがんで探したところ、どこにも姿がみあたりません。「あれ?」と思いましたが、そういえば9:30ごろに起きてきて、一緒に寝てとごねたけど、追い返したから、寂しくてねぇちゃんと寝てるな。と、思い直し、おねぇちゃんのベッドを探りました。案の定、山が二つ見えます。おねぇちゃんの顔は出ているので、奥にある山を探りました。すると、それはおねぇちゃんの抱き人形でした。
「あれ?じゃあはっちゃんは?」とあわてて見回しました。布団もはじからはじまで、くまなく、たたきながら確認しました。やっぱりいません。部屋の中もすみからすみまでさがしましたが、いません。
あわてて私は部屋の外へ出ました。子供部屋の出入り口は1つで、それはおばぁちゃんの寝ている部屋につながっています。ちなみについさっきまで、私はそこにいました。今はおばぁちゃんが、寝ています。そこで、「はっちゃん見た?」と聞いたところ、「いいや」との答え。もしかするとと思い、私の寝床を探しましたが、もぬけの殻でした。他の部屋も「はっちゃーん」と呼びながら、探しましたが、声もしません。私の頭の中は、新潟の監禁事件や、10年ほど前に、子供が寝ている間に行方不明になった事件が渦巻きました。その間30秒。
が、ふと、気づきました。私が子供部屋とつづいている部屋を離れたのは、お風呂に入りに行ったとき。そして、風呂からあがり、その部屋へ行く直前、トイレのドアがきしむ音がしたこと。私の手は、トイレのドアにかかりました。ドアをあけると、葉月の姿が!! 「おかぁさーん」とべそをかきながら。
よく、話を聞いてみると、やっぱり寝られなかったので出てきたけど、おかぁさんに怒られると思って、思わずトイレに隠れてしまったそうです。でも、その間40分。身体は冷え冷え。でもよかったぁ。たいした事件にならなくって。こんな笑い話になって良かったです。
ま、後は風邪をひかないかどうかという心配だけです。
2000年2月