若狭だより 12
上村 縁
10月に入っても、半袖で過ごすという、驚異の上旬がすぎ、11日からめっきり冷えて、まるで、冬のようなもう涼しさなどという言葉では表せない、ただひたすら寒い季節がやってきました。
昨日の朝は、おなじみのパソコンの起動エラーを出し、”あぁ冬に近づいとるんやねぇ”などとしみじみと思ってしまいました。
なんか今年は、夏がいつまでも居残り、冬が遅れを取り戻すかのように、急いでやってくるようです。そんな天候不順のおかげか、今年のお米は量も質もいまいちでした。うちだけかと思ったら、同じ会社の人んちもそうらしい。下手するとあの冷夏で不作でタイ米輸入した年くらい悪いようです。そんな報道無いけど。へんなの。
ま、涼しくなったらやっぱり、食欲沸いてきますよね。(私は妹に言わせると超健康体なので、いつでもようけ食べとるやん。だそーです。)そこで、小浜名物!!「カレー焼き」をご紹介したいと思います。
「カレー焼き」この名の通りあんこのかわりに、カレーの具が入っている回転焼(大判焼・今川焼ともいう)です。普通、回転焼は丸いですが、小浜のカレー焼きは長細いです。中身のカレーはカレーパンの中身を想像していただくと、よいと思います。つまり、長細くて、カレーパンの中身の入った回転焼と思ってくだされば結構です。
そこの店のおっちゃんによると、昔はどこにでもあったので、さして珍しいもんでもなくて、よそで評判を聞いて、うちもやろうと始め、今にいたるんやそうです(と、小浜のケーブルテレビでインタビューに答えてた)。
実は、そこの店にはカレーのほかにも、あんこ・クリーム・チョコ・チーズとみんなで5種類の味があるのですが、それら全てを「カレー焼き」と呼びます。つまり、「あんこ味のカレー焼き」や、「チョコ味のカレー焼き」やらがあるわけです。だからかしりませんが、カレー焼きの表面はみーんな同じ姿です。おまけにストックはごちゃまぜに置いてあるので、見た目では区別がつきません。買うとき、「カレー焼き3本。カレー2本と残りチョコお願いします」というと、おっちゃんはどうやって見分けると思います? 昔からの職人さんやからプロの勘で? 違います。すっごく原始的な方法、少しわって見るんです。私はこの事を知った時、無茶苦茶ぶったまげました。だから、潔癖な人には直接買いに行くのはおすすめ出来ないかも。けれど、そんな事が気にならないくらいおいしいのは、本当です!! 小浜まで足をのばされる機会のある方はぜひ、ご賞味ください。1本105円(税込)ラッキーな場合はおっちゃんのめくり確認が、みれるかもしれません。
JR小浜線小浜駅を降りたら、市役所方面へまっすぐ左側の通りを歩いて2.3分のところにあります。遅れましたが、店の名前は「あかお」です。最近は看板もしゃれていてもしかすると、「AKAO」などと出てるかもしれませんが。10本買うと、黄色くて上に怪しげなインド人が描かれた箱に入れてくれるはずです。これも、一見の価値有りなのですが、もしかするとモデルチェンジしてるかもしれないので、その時はご容赦ください。
1999年10月