大町だより 5
上村 縁
連休明けのことです。隣の経理課にパイナップルが置かれていたので、「ああ、誰か沖縄でも行ってきてそのおみやげやな。いいなあ。おやつはパイナップルかぁ」などと思いつつお茶を飲んでおりました。そこへ係長登場!この方はゆかいな方でいろいろ笑わせてくださるのですが、「上村さん、あのパイナップル大町でとれたって知ってた?」「またまたぁ、私をだまそうたって、無理ですよ。世間知らずの小娘じゃないんやから」「いや本当だって。ねえそうだよねえ」経理課の方に聞いてみると、「ここでおやつに食べたパイナップルのへたをなぁんかもったいないから、切り取って、水栽培していたらドンドン伸びていくから、こりゃいかんと思って、鉢に植え替えて一番暖かい場所に置いておいたの。3年ほど観葉植物として緑を楽しんでいたんだけれど、ある日先っちょが赤くなってることに気がついたの。するとみるみるうちにそれが、実になってきたのよ。それで今日手頃な大きさになってきたから、収穫したわけ。これは正真正銘大町で産まれたパイナップルなのよ」
その他にもよく聞いてみると、アボガドの種から出た芽は助役室で1.5mにもなってるらしいです。が、それは実がなるまで10年かかるので、私は5月末で契約が切れてしまうので、残念ながら大町産の実は見られないでしょう。極寒の地なのになぜかトロピカルな話題に事欠かない「大町」なのでありました。
2003年5月