VIC FAN CLUB
ESSAY

大町だより 4

ホームズ死す

上村 縁

 4月8日に「若狭だより」でもおなじみのホームズが10歳10ヶ月で永眠してしまいました。
 3月の連休に小浜の両親が遊びにきてくれたおり、母から「ホームズ最近おかしいんや。この前は、腰が抜けて立たれへんようになってるし、それに綱はなしても、決して側から離れへんのに、朝いきなり自分で縄抜けして山に逃げてしまったし。長くないかもよ。」と話を聞いてはいました。その後、春休みで遊びに行っていた子供達を迎えに小浜に行ったとき、そんな話を聞いていたものだから、ホームズをよく見てみようと思いました。が、よく見るまでもなくスゴク弱ってるのが明白なのです。いつもなら、窓から人の姿や気配を察するだけで、「遊んで、遊んで」とワンワンほえたり、ジャンプしたりするのに、寝そべったまま動きません。じーっと見ていると、やっと気づいたかのようにのろのろと体をおこしこちらへ近づいてきてくれます。あまりの痛々しさに一緒にきていたダンナに「やっぱり、ホームズあかんみたいや」とこちらに来るようにうながすと、いつもならダンナの姿を見るだけで狂喜乱舞と言ったほうがいいくらい喜ぶのに(じんたは今回もそういう歓迎をしてくれてた)やっとの思いで体を起こし、なでてちょうだいと寄ってきます。その姿を見て2人で涙ぐんでしまいました。

 小浜に出戻って5年。長いような短いような期間でしたが、いろいろな出来事を引き起こしてくれました。最後を看取ってやれなかったことはとても悔やまれます。それよりも、まだじんたがいるとはいえ、じんたもホームズより2歳も年上で数年前からヤバイヤバイと言ってきています。孫達もいなくなり、犬たちまでいなくなってうちの両親の落ち込みようといったら、言葉ではあらわせないぐらいどっしり落ち込んでいます。
 生き物を飼うのは楽しみもいろいろあるけれど、どうしても自分より先に逝ってしまうのでとても寂しいですね。

2003年4月

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