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カリフォルニアだより

第10話 〜ポットラック・パーティー〜

杉山洋子

 「ポットラック・パーティー」って聞いたことありますか? 私は渡米するまで知りませんでした。参加者の一人一人が料理を一品ずつ持ち寄って開く形式のパーティーをこう呼びます。アメリカの人がパーティー好きというのは本当のようで、お呼ばれの回数は日本に比べて多いのですが、私の場合そのほとんどがこの「ポットラック」でした。呼ぶ方も呼ばれる方も気楽で、お返しをする必要もなく、お付き合い下手な私は結構気に入っています。何かにつけて合理的なこの国らしいとも言える・・・
 特に楽しいのは、パーティー参加者が多国籍な時。なにしろ、各国の家庭料理をただで食べれる!!気に入ればレシピを聞いてチャレンジするのも簡単だし、つまみ食いのようにいろんな料理をちょこっとずつ食べれるのがいいですね。
 ただ、当然みんなの「ニッポン」への期待にこたえなくてはいけないのも事実です。実は私、日本では握り寿司/巻寿司を作ったことがありませんでした。しかしこちらに来て、最初のうちはちらし寿司や炊き込み御飯で逃げていたのですが、ついにあるポットラックパーティーの前に「ヒロコはスシよね。たのしみー!!」といわれ(何故かこっちの人が"スシ"というとき、それは巻寿司─太巻きを指すのであーる)・・・巻寿司、家で特訓しましたよ。ダンナのクラスメートの日本人の方にコツをきいたり、恥を承知で実家に電話したり。(とは言え、今でも下手ですけど)
 ただ何時だったか、やっぱりパーティーの前に「俺はツナ(まぐろ)がすきだー」と言われた時には、「それはできないよ」といったけど。生物でおなかをこわされても責任持てないですよね。
 でもお付き合いがどどーんと広がると、悩みの種も多いよう。友達のあるご婦人は、クリスマスシーズンにポットラックが3回も重なり、「2回会う人もいるから、毎回違うもの作らなきゃいけないし、大変!」とぼやいておりました。あと、多民族/多宗教のこの国、メンバリングによっては肉を使えなかったり、甘いもの(煮物とか)は止めようとか思ったり・・・ま、楽しいことの前には悩みはつきもの、といった感じですけど。
 日本でもこんな感じのお付き合いってあるんですかね?

2002年6月

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