野生の食事 3
前田敦子
川じゃこ(大阪の「はや」のこと)は、真冬の寒じゃこが一番おいしいのですが、年がら年中食べられます。7センチぐらいまでのが食べごろです。初夏になると赤や青のしま模様ができます。
じゃこは、ていねいに腹わたを取り、素焼きにしたものを、だし、しょうゆ、さとう、酒、みりんで、甘からく1時間ほど煮て頭と骨をとり、にぎり寿しのネタにします。あと、から揚げにして、からしみそやポンズで食べたり、素焼きにしたものを、すぐ甘じょうゆで食べるのもビールによくあうと思います。
しかし「じゃこ」はいづこにも住んでおりますが、富田林の石川などは、釣り上げる場所により、洗剤の味がして食べられそうにないものがあります。
昔は、紀ノ川のそばで、毎日じゃこを獲り5匹くらいづつ特製の竹串にさし、炭火で素焼きにして魚屋に卸している とくさん というご夫婦がいましたが……。
今は、万葉集で有名な紀ノ川沿いの「背ノ山」というところにある「鮎じま」という店に置いていると思います。そこの道の駅も「じゃこ寿し」は売っていますが、粉川寺(西国参りの寺)門前のほうが美味だと思います。でも私は、やはり、母の味が一番ですが。
1999年3月