和泉の名刹 水間観音

　大阪に住んでいながら、名前はよく聞くが一度も行った事のない所といえば水間観音さん。ちょうど泉州の『水なす』の美味しい季節でもあるので、少し遠い様だが出かける。
　南海電車のナンバ駅から貝塚まで行き、水間鉄道で九ツ目が水間駅終点。途中の駅は無人だ。駅でパンフレットを下さいと行ったら、作家でもあった今東光さんが住職をしていた頃のを出してくれたので、びっくりする。駅前を10分程歩くと龍谷山水間寺に着く。こじんまりとした三重塔と本堂、ずい分古そうだ。又、愛染堂もあり、お夏清十郎の墓の前には、往年のスター林長次郎と田中絹代の碑が立っていたりしてユニークだなあと思う。
　本堂の裏山いったいは水間公園となっていて渓谷には滝もありイロハモミジの林でしきりとセミが鳴いている。公園は小山になっていて東に犬鳴山、紀泉葛城山の山なみが眺められる。子供たちが水辺で遊ぶ声以外は、雑音も聞こえず、しずかでいい所だ。
　帰りは早速通りの八百屋で新鮮な「水なす」を買う。コロコロと色艶のいいとれたては美味しい。

※水間鉄道は貝塚〜水間で280円です。
写真は駅でもらったパンフレット

1998年10月