Chissarossa の I LOVE CINEMA 26
う〜〜〜ん、ゴージャス。原作の周防監督には申し訳ないけど、見事なり、ハリウッド映画!って感じです。もはやシノゴノシノゴノ言う必要はありません。みなさ〜〜〜ん、安心して浸って観ましょう!!
ジョン・クラーク(リチャード・ギア)は、いわゆるお勤め弁護士。妻ビヴァリー(スーザン・サランドン)は、デパートで働くキャリアウーマンで、子供のPTA 役員でボランティア活動にも手抜きをしないし、夫の誕生日を忘れることなく、家族でのお祝いの準備も怠りない。子供は一男一女。彼らも素直で申し分なし・・・・・。
しかしふと気がつけば、通勤電車でのジョンの瞳は、うつろに投げ出され、どこか遠くを見てしまっている。世の中の幸せの代表ともいえる生活に、一体何の不満があるというのだろうか?そんなある日、いつもの通勤電車の窓からとあるビルを見上げると、ビルの窓辺に憂いた瞳の女性が、どこを見るともなく視線を投げ出して佇んでいるのが見えた。
何度目かのその光景にジョンは思わず電車から降り、彼女のいるビルの前まで行ってしまう・・・・。たどり着いたそのビルの、彼女のいるフロアーはダンス教室だった。
憂いの瞳の彼女は、ポーリーン(ジェニファー・ロペス)といって、そのダンス教室のダンス教師だった。彼女は、大切なダンスの競技大会で失敗をし、恋人をも失って傷心だったのだ。ダンス教室には、人知れず密かにダンスに情熱を燃やす、会社の同僚のリンク(スタンリー・トゥッチ)、生活費のすべてをつぎ込んでダンスをすることに生き甲斐を感じているボビー(リサ・アン・ウォルター)、ダンスができるようになってダンスのうまい彼女にプロポーズしたいウ゛ァーン(オマー・ミラー)、女の子に持てるためにダンスを習うというチック(ボビー・カナウ゛ェイル)がいて、断る術もなくジョンのレッスンはスタートする。
始めは、ポーリーンに引き寄せられてダンスを始めたジョンだったが、マンボのステップを覚えられた時には、踊ることの楽しさを知ってしまっていた・・・・そんな時、アマチュア競技大会に出場するボビーの相手をジョンがすることになる。練習に夢中になるジョン。
ところが、そんな夫の変化をビヴァリーが気づかない訳がない。探偵を雇い、ついにジョンの秘密は妻にばれることとなる・・・・・さてさて、この続きはドキンドキンで、映画館へどうぞ。
ストーリーもほとんど原作の日本版と同じ。竹中直人や渡辺えり子など、個性豊かな俳優陣が名演技を見せた日本版、はたしてハリウッドでは?なんて心配はまるきりご無用。実に、ぴったしカンカンのキャスティングでお見事ですぅ。
ただ、日本でもアメリカでも、ソーシャルダンスに対する偏見なんてものが、同じように存在するんだなあ・・・・って驚きものです。間違いなく踊れたらカッコいいのに、なんだって”変な人”(特に男性に対して)・・・・ってレッテル貼られるんでしょうね???リンクが、会社で噂の的になって、意地悪を言われている時に、ズカズカその真ん中に入って行って、噂話をしていた女性の手を取りターンを決めてみせたシーンは、すばらしい!拍手喝采!競技が始まってからの、リチャード・ギアとリサ・アン・ウォルターのダンスは誠に見事だし、極めつけは、ビヴァリーが、探偵を雇ってまで夫の秘密を知ってしまった後に下す決断や対応で、スーザン・サランドンという女優そのものの、人柄や考え方まで見えるようで素敵だし、日米の違いを際立たせている部分でしょうし、更に、主人公が幸せなのに、何故空ろになって、ダンスに楽しみを見いだしたのか・・・を妻に告白するシーンも、どんな形でも、絆や縁というものは、たゆまぬ努力の賜物よね〜なんて、それぞれ胸がジーンとする言葉が、いっぱいちりばめられています。
こういう映画がヒットすることによって、ソーシャルダンスが流行る・・・・・恋人と、妻と、夫と、何気に「踊りましょう・・・・」と言う言葉が交わされる、そんな世の中になってくれたら嬉しいな!って思う人は、結構多いんじゃないか知らん!?
そうです、皆さん、まずは映画でご一緒に「SHALL WE DANCE !?」しませんか?
2005年5月