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Chissarossa の I LOVE CINEMA 24

鮮やか!!何度でも蘇える「オペラ座の怪人」

 まあ、とっても豪華!ものすごいロマンチック!素敵ったら、すってき〜〜〜〜!!もう惚れ惚れするわ。

 ガストン・ルルーの古典的名作が、こんなに芳醇かつ華麗なヴィジュアルになって目の前に現れるとは・・・なんせ、ガストン・ルルーが作品を発表したのは1911年のこと、白黒トーキーに始まり、映画や舞台等、今まで何度上演されてきたことでしょう・・・それだけ、この物語は、語り継がれるべきロマンが詰まっているわけですね。時代も文学芳醇な頃、材料に不足もなく、浪漫にあこがれる人間にとっては最高のシチュエーション。原作自体、何度読んでも惚れ惚れします。そんな作品ですが、特にミュージカルに仕立てた、アンドリュー・ロイド=ウェバー(もう、ホントに。この人ったら天才だわよねっ!!)作曲・脚本の「オペラ座の怪人」は、世界中で人気をはくし、1986年に発表して以来、2005年の現在においても、世界中でロングラン・ヒットが続いているんです(日本でも現在は、東京は汐留で、劇団四季が延々ロングラン上演中ですね)。

 今回の「オペラ座の怪人」は、このアンドリュー・ロイド=ウェバーのミュージカルを、そのまま映画化したものです。まず目を惹くは、贅を尽くしたセットに衣装に装置。まったくため息が・・・。映画の冒頭で、タイタニックのCGのように大胆で劇的なシーンで、効果的な役割を果たすオペラ座のシャンデリアは、スワロフスキー製のクリスタル・・はぁ・輝きが違いますよねえ。物語の時代が19世紀末の設定とはいえ、俳優たちのドレスはディティールの細部にまで凝っていて、物語の雰囲気や役柄をよく表し、とてもロマンチック、でも、どこかモダンなのです。担当は、「ハムレット」、「エリザベス」でアカデミー賞候補になって、大活躍したエリザベス・バーン。参考にしたのが、厳然たる本物志向、芸術志向のヴィスコンティ監督の「山猫」というから、フムフム、フムフム・・・超納得!きゃぁ〜、すてきぃ!

 それからそれから、豪華の極みは、音楽です。ジャアン、ジャジャジャジャジャ〜ン♪と大音量のパイプオルガンで始まるイントロはあまりに有名で、これまた、同じく評されることの、まるでヴェートーヴェンの「運命」のごとくです。その後も、音楽の洪水で、“ウェバー”の名のごとく、一曲一曲が華やかで、艶やかです。

 さてさて、いよいよ核心に触れましょう、この映画の目玉は!!キャスティングで〜す。

 三人の主役の一人、ファントムには、ジェラルド・バトラー(「ドラキュリア」、「トゥームレーダー2」、「タイムライン」)、ヒロインのクリスティンには、撮影当時弱冠17歳だったエミー・ロッサム(「ミスティック・リバー」、「デイ・アフター・トゥモロー」)、女性が欲しいと思っているすべてを備えたヒーローのラウル役には、パトリック・ウィルソン(「アラモ」、「フル・モンティ」、「オクラホマ」〜共にミュージカル)・・・で、この三人は、揃って吹替え無しで歌っているから、ご立派・・・っていうより、映画も舞台もミュージカルも、それぞれを第一線でこなせるスーパー役者ってことですわ!中でも、エミー・ロッサムはとてもじゃないけど二十歳を越えてないなんて誰が思うでしょ!?っていうくらい

 既に揺るぎのない女優さんです。何でも、わずか7歳にしてメトロ・ポリタンで世界三代テノール歌手といわれる、プラシド・ドミンゴやパバロッティと競演してきたし、このコーナーでも取り上げた「ミスティック・リバー」では、ショーン・ペンの娘を演じて一躍注目を浴びたのは、記憶に新しいです。この人はまったく、実に印象深い!アンドリューロイド=ウェバー作曲のミュージカルといえば、名歌手サラ・ブライトマン・・・と思うけれど、この映画のエミーの起用は、クリスティーヌの純真さが強調された感じがします。

 パトリック・ウィルソンはもう芸達者、よくこれだけ整ってるもんだわねぇ〜って眺めちゃうし、ジェラルド・バトラーはもうひたすら、へぇ〜〜〜〜こんな事出来て、めっちゃカッコいいや〜〜〜ん、下から見上げて睨む時の目の強さに、ハートがドキドキしてしまいます。ほぉ〜

 それじゃ、極め付きにあらすじを・・・

 かつて、50年前は豪華絢爛だったパリのオペラ座・・・今は落ちぶれて見る影もない。

 その廃墟化したオペラ座で、ラウル・シャニュイ子爵、バレエ教師のマダム・ジリーがオークションに参加していた。やがて、オペラ座の惨劇にかかわったとしてシャンデリアが紹介される・・・・ベールが取り払われると一気に50年前に・・・・

 オペラ「ハンニバル」のリハーサル中、プリマドンナのカルロッタに天井から天幕が落ちてきて、怒って辞めてしまったカルロッタの代わりに、クリスティーヌが抜擢される。

 一躍注目を浴び、人気プリマドンナとなったクリスティーヌの前に、幼馴染のラウルが現れ恋が始まるが、クリスティーヌは、オペラ座の怪人=ファントム(オペラ座の作品はすべてこのファントムよって作られ支えられている)に地下へ連れ去られてしまう・・・ファントムはクリスティーヌを見守り、歌をレッスンしてきた父親で師のような存在だったのであるが、またそこには深い愛があった。

 女性が望むすべてを備えたようなラウルと、音楽を作り出し創造的な未来を与えてくれるファントム・・・二人の間を、二つの愛の形の中を、揺れるクリスティーヌ。

 地下から戻り、ラウルとの婚約パーティーの最中、ファントムはオペラ「ドンファン」を持って現れる。

 挑戦を受けるラウルとクリスティーヌ・・・オペラの初日・・・クリスティーヌはファントムに連れ去られ、二人を追うラウル。一体どちらの愛が勝利を得るのか!?

 アンドリュー・ロイド=ウェバーの作り出す音楽は、芳醇なワインのようですが、その歌詞は、物語の流れを端的に表し、台詞としても、全く無駄がなく、選りすぐりの言葉で、登場人物の心情が表されているのが素晴しいです。

 ミュージカルって、大してストーリーもなくて???って思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう方こそ、是非ともこの「オペラ座の怪人」を見ていただきたいです!拙者は、あと2回は映画館まで出かけて見る事と致しましょうぞ!

2005年2月

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